“えんがわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
縁側81.0%
椽側14.6%
縁辺1.9%
椽端1.3%
0.6%
縁端0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでも筆と紙がいっしょにならない時は、撮んだ顎を二本の指でして見る。すると縁側えんがわで文鳥がたちまち千代ちよ千代と二声鳴いた。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ふすまをあけて、椽側えんがわへ出ると、向う二階の障子しょうじに身をたして、那美さんが立っている。あごえりのなかへうずめて、横顔だけしか見えぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すると少女むすめ身体からだの具合が少し悪いと言ってふさいで、奥の間にひとり、つくねんと座っていましたが、低い声で唱歌をやっているのを僕は縁辺えんがわに腰をかけたままいていました。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
折しも小春の空長閑のどけく、斜廡ひさしれてさす日影の、払々ほかほかと暖きに、黄金丸はとこをすべり出で、椽端えんがわ端居はしいして、独り鬱陶ものおもいに打ちくれたるに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
更に巧に、寝間を出て、えんがわの戸を一分又た一分に開け、跣足はだし外面そとに首尾能く出た。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
縁端えんがわから、台所に出て真闇の中をそっとのぞくと、臭気においのある冷たい空気が気味悪く顔をかすめた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)