“えんばな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
縁端63.0%
縁鼻22.2%
椽鼻11.1%
椽端3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
書肆ほんやはへと/\になつて、やつ縁端えんばなに腰をおろすなり、原稿の談話はなしを切り出すと、蘆花氏は頭の天辺てつぺんから絞り出すやうな声で
時間通りに起きた津田は、縁鼻えんばなから空を見上げて眉を寄せた。空には雲があった。そうしてその雲は眼に見える風のように断えず動いていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
四尺の空地くうちを池のふちまで細長く余して、真直まっすぐに水に落つる池の向側むこうがわに、横から浅葱桜あさぎざくらの長い枝を軒のあたりにかざして小野さんと藤尾がこちらを向いて笑いながら椽鼻えんばなに立っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此幾日といふもの楽みにして待ちに待ちたる明日のもし雨ふらんには如何にかせんと、檐の玉水の音を聞くさへ物憂くおぼえて、幾度か椽端えんばなに出で雲のたゝずまひを仰ぎ見て打囁うちつぶやきしが
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)