“臭気”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
におい48.7%
しゅうき26.9%
にほひ16.7%
くさみ3.8%
かざ1.3%
しうき1.3%
エア1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大なすきを打込んで、身を横にしてたおれるばかりに土の塊を鋤起す。気の遠くなるような黒土の臭気においぷんとして、鼻を衝くのでした。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
口中に臭気しゅうきあるをさとらず師の前に出でて稽古しけるに、春琴例のごとく三のいと鏗然こうぜんはじきてそのまま三味線を置き、顰蹙ひんしゅくして一語を発せず
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
『穢多には一種特別な臭気にほひが有ると言ふぢやないか——嗅いで見たら解るだらう。』と尋常一年の教師は混返まぜかへすやうにして笑つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そして犬のように臭気くさみを嗅ぎながら、雑草の葉っぱを前歯でちょっぴり噛ってみたり、蛙の後脚をそっと舌でさわってみたりした。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
「これから家へ行くと、お酒の臭気かざがして阿母アはんに知れますよつて、わたへもうちいと歩いて行きますわ。をツさん別れまへう。」
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
堀割ほりわり丁度ちやうど真昼まひる引汐ひきしほ真黒まつくろきたない泥土でいどそこを見せてゐる上に、四月のあたゝかい日光に照付てりつけられて、溝泥どぶどろ臭気しうきさかんに発散してる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
港いっぱいに植民地的臭気エアが充満して、女達は昨夜の顔へまた紅をなすり、家々の窓へさわやかな異国の風が吹き込み、猶太人ジュウの両替屋に不思議な貨幣があふれ