“照付”の読み方と例文
読み方割合
てりつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
堀割ほりわり丁度ちやうど真昼まひる引汐ひきしほ真黒まつくろきたない泥土でいどそこを見せてゐる上に、四月のあたゝかい日光に照付てりつけられて、溝泥どぶどろ臭気しうきさかんに発散してる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ところへものし、そして發酵はつこうさせるやうな日光が照付てりつけるのであるから、地はむれて、むツと息のまるやうな温氣うんき惡臭あくしうとを放散ほうさんする。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
人込ひとごみの中に隔てられたまま松子の方には見向きもせず、日の光に照付てりつけられた三越みつこしの建物をまぶしそうに見上げながら、すたすた四辻よつつじを向側へと横ぎってしまったが、少しは気の毒にもなって
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)