“人込”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとごみ80.0%
ひとご20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人は徒歩で博物館へ行つて人込ひとごみの中を分けつつ絵を観たが、定められた十一時少し前に馬車を急がせて日本大使館へ行つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
女は人込ひとごみのなかを谷中やなかの方へあるした。三四郎も無論一所にあるき出した。半町ばかりた時、女はひとなかで留つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
梯子段はしごだんの二三段を一躍ひととびに駈上かけあがつて人込ひとごみの中に割込わりこむと、床板ゆかいたなゝめになつた低い屋根裏やねうら大向おほむかうは大きな船の底へでもりたやうな心持こゝろもち
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
私は白紙をクルクルと丸めると、着物のたもとに無造作に投げこんだ。そして嬉しさにワクワクする胸をおさえて、表玄関の人込ひとごみの中を首尾よく脱出したのだった。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)