“大向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おおむこう22.2%
おほむかう22.2%
おおむこ22.2%
おほむか22.2%
おほむかふ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幕開まくあきうたと三味線が聞え引かれた幕が次第にこまかく早める拍子木のりつにつれて片寄せられて行く。大向おおむこうから早くも役者の名をよぶ掛け声。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
梯子段はしごだんの二三段を一躍ひととびに駈上かけあがつて人込ひとごみの中に割込わりこむと、床板ゆかいたなゝめになつた低い屋根裏やねうら大向おほむかうは大きな船の底へでもりたやうな心持こゝろもち
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
あアいう型にはまった大歌舞伎おおかぶきでは型の心得のない素人しろうと役者では見得を切って大向おおむこうをウナらせる事は出来ないから
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
一事が万事、坂田の対局には大なり小なりこのやうな大向おほむかふをうならせる奇手が現はれた。その彼が急に永い沈黙を守つてしまつたのである。
聴雨 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
誰にもだまツて、此處に引込むでゐて、何か出來た時分に、ポカリ現はれて呉れる………屹度きつと大向おほむかふやンやと來る。そこで大手を振ツて阿父のとこへ出掛けて、俺の腕を見ろいさ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)