“おおむこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
大向100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あアいう型にはまった大歌舞伎おおかぶきでは型の心得のない素人しろうと役者では見得を切って大向おおむこうをウナらせる事は出来ないから
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
しかも今日の或る芝居に見るような、いわゆる“観客が沸く”というようなことは少しもなかった。土間桟敷どまさじきは勿論、大向おおむこうの立見の観客に至るまで、みな神妙におとなしく見物していた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし観劇中にむやみに騒ぎ立てて劇の進行を妨害し、あわせて他の多数の観客に迷惑をあたえるというのは、かの大向おおむこうの徒とえらぶところなき無作法の所行しょぎょうであると、さんざんに痛罵つうばした。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)