“人形”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にんぎょう45.2%
にんぎやう24.7%
ひとがた11.8%
にんぎよう4.3%
ヒトガタ4.3%
にんげう2.2%
ニンギヤウ2.2%
あねさま1.1%
しかけもの1.1%
じんぎやう1.1%
じんけい1.1%
ひとかた1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのとき、のぶは、お人形にんぎょう着物きものをきかえさせて、あそんでいましたが、それを手放てばなして、すぐにおかあさまのそばへやってきました。
青い花の香り (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして冷靜れいせいな藝術的鑑賞かんしやうは、熱烈ねつれつ生理せいり憧憬どうけいとなつて、人形にんぎやうにはたましいが入つた。何も不思議はないことだらう。周三だつて人間にんげんである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
猶其の上に靈作れいさ妙用めうようあることは、古より傳はつてゐることで、延喜式に數〻見えたる呴の字や、江次第に「人形ひとがたをもていきかけさしめ給ふ」
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
また埴輪はにわ人形にんぎよううまおなかたちのものを、いしつくつておはかてたこともありました。これを石人せきじん石馬せきばなどゝまをしてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
華蓋キヌガサは、祭りのすんだ後には、水に流されるものと思はれるが、此人形ヒトガタとおひら様、延いてはひなとの間に、或関係がないであらうか。
くるわことばをまちにいふまでりとははづかしからずおもへるもあはれなり、としはやう/\かぞへの十四、人形にんげういてほうずりするこゝろ御華族ごくわぞくのお姫樣ひめさまとてかはりなけれど、修身しうしん講義こうぎ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
祭礼に人形ニンギヤウを持ち出す社は、今でも諸地方にある。殊に、八幡系統の神社に著しい。八幡神は、疑ひもなく、奈良朝に流行した新来イマキの神である。
むかしこひでがす。あれでもの、お前様めえさま新造盛しんざうざかりのことつけ。人形あねさましがる時分じぶんぢや。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
人形しかけもの台には灯烙ぼんぼりがともり多彩な幾つもの車楽はやし飾車だしは、群集にゆれながら近づいて来るのであつた。
仙台の夏 (新字旧仮名) / 石川善助(著)
前髮まへがみさげ可愛かはゆこれ人形じんぎやうのやうにおとなしくして廣庭ひろにはでは六十以上いじやうしかいづれも達者たつしやらしいばあさんが三人立にんたつその一人ひとり赤兒あかんぼ脊負おぶつこしるのが何事なにごとばあさんごゑ
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
蒸すように暑い部屋へやの天井には電扇がゆるやかに眠そうに回っていた。窓越しに見えるエスカレーターには、下から下からといろいろの人形じんけいがせり上がっては天井のほうに消えて行った。
試験管 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
そして、まるでがつがつした犬のように喘いだり、目を光らせたりして鼻嵐しを吹きながら、そこいらに散らかっている古藁で、人形ひとかたを作りにかかった。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)