人形ヒトガタ)” の例文
華蓋キヌガサは、祭りのすんだ後には、水に流されるものと思はれるが、此人形ヒトガタとおひら様、延いてはひなとの間に、或関係がないであらうか。
此祭りの中心になるのは、一つの華蓋キヌガサである。此に様々な物を下げるが、其中心になるものは、男女の姿をした人形ヒトガタであつた。
譬へば、熊野の巫女が、仏教式に傾いた場合には、遊ばすべき人形ヒトガタの代りに、仏像を以てする様になつた事もあつた、と考へてよさゝうだ。
夏祓へに、人間の邪悪を負はせて流した人形ヒトガタが、水界にシヤウを受けて居るとの考へである。中にも、田の祓へには、草人形を送つて、海・川へ流す。
河童の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
人形ヒトガタを据ゑて穢邪を移し、又ゆきあひまつり(交叉期の祭り)の考へから出た邪鬼——夜行神の恐れが転じて——の来襲を防ぐ備へをする日になつた。
穢や禍や罪の固りの様な人形ヒトガタながら、馴れゝば玩ぶやうになる。五節供セツクは皆、季節の替り目に乗じて人を犯す悪気を避ける為の、支那の民間伝承である。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)