“にんぎょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
人形80.8%
傀儡7.7%
偶人3.8%
木偶3.8%
偶形1.9%
木像1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十四、五になる大概たいがいいえむすめがそうであるように、袖子そでこもその年頃としごろになってみたら、人形にんぎょうのことなぞは次第しだいわすれたようになった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
七八寸ぐらいある傀儡にんぎょうのようなものがぐったりとなっていた。禅師はその傀儡に向って言った。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そんな事を言って振り返ると、妙子は僅かにうなずき乍ら、細そりした身体を尚おもせばめて、運命に導かれて行く偶人にんぎょうのように、真にトボトボと私の後を跟いて来るのでした。
「ヤったな。ああ、痛え。」「おお、痛え。済まねえやい、木や土でこせえた木偶にんぎょうじゃねえ。」「血のある人間だ、さあどうする。」とくってかかる混雑紛れ、お丹等老婦人を見咎みとがめられず
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金五郎は三河島蓮田の古道具屋小林文平の立場たてばへ往って、古い偶形にんぎょうを買って来たところであった。
偶人物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
其処に飾付かざりつけて在ッた木像にんぎょうの顔が文三の欠伸あくびをした面相かおつきているとか昇の云ッたのが可笑しいといって、お勢が嬌面かおに袖をてて、勾欄てすりにおッかぶさッて笑い出したので
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)