傀儡にんぎょう)” の例文
姥は戒刀をダラリと下げ、眼を細くし首を延ばし、糸の切れたあやつりの傀儡にんぎょうのように、フラフラと前へ出た。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
七八寸ぐらいある傀儡にんぎょうのようなものがぐったりとなっていた。禅師はその傀儡に向って言った。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
やや長き。——と避けて、立離るる時、その石垣に立掛けたる人形つかいの傀儡にんぎょう目にとまる。あやつりの竹の先に、白拍子しらびょうしの舞の姿、美しくろうたけたり。夫人じっ立停たちどまる。無言。雨の音。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
七八寸ぐらいある傀儡にんぎょうのようなものがぐったりとなっていた。禅師はその傀儡に向って云った。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と、傀儡にんぎょうは白い蛇となって、その傍に青い魚の姿も見えて来た。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)