“傀儡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいらい65.2%
くぐつ17.4%
くわいらい5.4%
にんぎょう4.3%
あやつり2.2%
くゞつ2.2%
からくり1.1%
けえれい1.1%
でく1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は、自分の意志で働くというよりも、女の意志によって働く傀儡かいらいのように立ち上ると、座敷に置いてある桐の茶箪笥に手をかけた。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
卑しい傀儡くぐつの顏を寫しましたり、不動明王を描く時は、無頼の放免はうめんの姿を像りましたり、いろ/\の勿體ない眞似を致しましたが
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
最も俳優が、全然違つた方面から巣立つたらば知らないことだが——だが、それほどの人材ばかり出たら、傀儡くわいらいとなつて叫び狂ふ自己の職業に滿足するかどうか?
むぐらの吐息 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
姥は戒刀をダラリと下げ、眼を細くし首を延ばし、糸の切れたあやつりの傀儡にんぎょうのように、フラフラと前へ出た。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼の辣腕は一方にこの老骨狭山九郎太を手玉に取りながら、一方には花のような無垢むくの美少女を、傀儡あやつりのように自由自在に操っている。何という大胆さであろう。何という狡猾さであろう。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
れ今の所謂才子が作る所の戯曲ドラマを見るに、是れ傀儡くゞつを操りて戯を為す者のたぐひのみ、作中の人物、一も生人の態なし。其唐突、滑稽なる人をして噴飯せしむる者あり。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
「物の怪騒動の傀儡からくりの種この老人が明かしましょう」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「合点がいったか。お前は卍にそっくりだてんで、昨夜傀儡けえれいに使われたんだ。」