“からくり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カラクリ
語句割合
機関53.0%
機械13.6%
機關6.1%
機構4.5%
絡繰4.5%
3.0%
機巧3.0%
機繰1.5%
仕掛1.5%
傀儡1.5%
奸闌繰1.5%
機工1.5%
機械仕掛1.5%
狂言1.5%
詭計1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一面から云えば、まことに見え透いた機関からくりではあるが、組頭もその情を察して大抵はその養子に跡目相続を許可することになっている。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
仮にまたあの家へ行くにしても、何か機械からくりのありそうな影屋敷の内部なかをのぞいて見ることも、何となくお蔦の好奇心をそそのかすのだった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
陰に廻りて機關からくりの糸を引しは藤本の仕業に極まりぬ、よし級は上にせよ、ものは出來るにせよ、龍華寺さまの若旦那にせよ、大黒屋の美登利紙一枚のお世話にも預からぬ物を
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「世の中あ、そんなものさ。ご一新という大した浮世の機構からくりを勉強して来たから、露八もこれからは、きっと、食うにゃ困らねえでしょうよ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしそれは今の普通の探偵小説ではきっと先生には絡繰からくりがあまり見え透くのでつまらないといわれるのだろうと思われる。五、六年前に札幌へこられた時にこんなことがあった。
先生を囲る話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
うつわ」と「からくり」の区別は漸変的であって、前者が自然的存在原型にその始源的出発点をもてるに反して
近代美の研究 (新字新仮名) / 中井正一(著)
緞帳芝居どんちょうしばいか覗き機巧からくりで聞いて来るものと見えて、如何にも当意即妙の返答である。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
丈「あれからぐっと運が向き、る事なす事がよく、是まで苦もなく仕上げたが、見掛けは立派でも内幕は皆機繰からくりだから、これが本当の見掛倒しだ」
ついにはお客をすることも出来ません、たまにお客があれば機繰からくり身上しんしょうゆえ、客から預かる荷物を質入しちいれにしたり、借財方に持ってかれますような事でございますから、客がぱったり来ません。
あのまんまと仕組んだ屍体消失の仕掛からくりでさえ、僕の眼だけは、あざむくことができなかったのです。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「物の怪騒動の傀儡からくりの種この老人が明かしましょう」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この頃長崎中の抜荷買なかまが不思議がっとる福昌号の奸闌繰からくりちうのはこの味噌桶に違いないわい。ヨオシ来た。そんなら一つ腕によりをかけて、唐人共の鼻を明かいてコマソかい。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これ余寒よかんの暁に雨のみじかくやみたる気運きうん機工からくりてかゝる奇景きけいを見たるなりとて、めづらしがりてかたられしが、暖地だんちにてはめづらしくもあるべけれど
彼の言葉に従えば、そういう機械仕掛からくりの技芸は、工芸学校に属する手法であって、それらの仕事の価値を評価し得るものは、時間と音数と消費された精力とを記載する図表ばかりであった。
お糸と役者の乳繰えを嫉妬やっかんで、よんべおりきんとこから出て来る役者を、ここらで待ってばっさりり、えこう、えれえ手の組んだ狂言からくりたくみやがったのう、やいやい、小僧、どうでえ
それゆえ私が、どんなにか、探偵小説的な詭計からくりを作り、またどんなにか、怒号したにしても、あの音色ねいろだけは、けっして殺害されることはないと信じている。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)