“トリック”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
詭計44.4%
技巧16.7%
仕掛5.6%
奇略5.6%
偽計5.6%
奇術5.6%
奇計5.6%
欺術5.6%
5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
洋服の上へ着ていた浴衣を脱いでカバンへ突込むと、そいつを邸内へ置きにいったついでに、大急ぎで庭下駄の詭計トリックを弄し、女中達を叩き起したと云う寸法だ。
石塀幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
あれでなかなかの策士で、なんでも見てとり、人間の技巧トリックなどはちやんと見拔いてしまふ。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
仕掛トリックを見た時、島幾太郎とその手下の者が少しも驚かなかったのはうしたわけであろう——、あの青い眼鏡めがねでだけ読める仕掛けを
青い眼鏡 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
見ろ、殺された印刷屋が、お前の命令で刷ったこの劇場のちらしの裏の仕掛トリックが、お前を最後の運命に導く罠になったじゃないか
青い眼鏡 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「そのことなら、さっきやっとのことで謎を解いたんです。蠅男はホテルのなかに居るのを知られないために、電話にも奇略トリックをつかったんです」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そこで帆村は、二人に対し、蠅男の演じた奇略トリックをひととおり説明した。前後の様子から考えると、蠅男は三輪車を奪ってから、大胆にもこの宝塚にひきかえしたのだった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかるにいま祭司長・学者・長老らは、この語から霊的・終末観的な意味を抜き去って、世俗的・政治的意味のものに歪曲わいきょくしてしまった。これが彼らの用いた偽計トリックであります。
おきなぐさはその変幻へんげんの光の奇術トリックの中でゆめよりもしずかに話しました。
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
なんだ、つまらない奇計トリックである。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
セメントの粉では全くだまされましたよ。あれは権堂が私等を外へおびき出す欺術トリックです、イヤもう大笑い……。
悪人の娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
だから、そこにトリックが必要なので、無論それが解ると、中風性麻痺を想像させて、君に自殺説を主張させ熊城君にルキーンの幻を描かせたところの死体の謎が、余すところなく清算されてしまうのだよ。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)