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詭計
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トリック
ふりがな文庫
“
詭計
(
トリック
)” の例文
将棋の木村名人は、十数年間、私と机を並べていた友人の一人だが、あの人は第一級の探偵小説ファンで、「あんな
詭計
(
トリック
)
をどうして考えるのだ」
随筆銭形平次:15 捕物小説は楽し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
洋服の上へ着ていた浴衣を脱いでカバンへ突込むと、そ
奴
(
いつ
)
を邸内へ置きにいった
序
(
ついで
)
に、大急ぎで庭下駄の
詭計
(
トリック
)
を弄し、女中達を叩き起したと云う寸法だ。
石塀幽霊
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
ねえ
夫人
(
おくさん
)
、つまり、この
詭計
(
トリック
)
の発因と云うのが、博士にかけられた貴女の電話にあったのですよ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
兎も角、志津子夫人は、すこしばかりの
詭計
(
トリック
)
を用いて、いよいよこの忌わしい『人形の家』を
脱
(
ぬ
)
け出す気になったのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:01 第四の場合
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
すると、当然その
竜舌蘭
(
リネゾルム・オルキデエ
)
の
詭計
(
トリック
)
が、
鐘鳴器
(
カリリヨン
)
室の
扉
(
ドア
)
や
十二宮
(
ゾーディアック
)
の
円華窓
(
えんげまど
)
にも行われたのだろうがね。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
だから、ね、君。あの庭下駄の跡は、二人の真犯人が犯行の際につけたものではなくて、あれは、犯行の後から、故意に、あの
双生児
(
ふたご
)
を陥し入れるためにつけられた、恐ろしい
詭計
(
トリック
)
なんですよ。
石塀幽霊
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
まさに
響歎
(
きょうたん
)
すべきものであるが、厳格に言えば、
此
(
この
)
素晴らしい
詭計
(
トリック
)
にも、レコードの製作工程に対する、説明を欠いて居るという非難は免れない。
探偵小説と音楽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところで、この
羅針儀式
(
マリナース・コムパス
)
の特性が、
貴女
(
あなた
)
の
詭計
(
トリック
)
に最も重大な要素をなしているのです。と云うのは、この合わせ文字を、閉じる時の方向と逆に
辿
(
たど
)
ってゆくと、三回の操作で
閂
(
かんぬき
)
が開く。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
そんな
暢気
(
のんき
)
なことを言うのでした。どんな巧妙な
詭計
(
トリック
)
も時の力の前には崩壊することを平次は知っていたのです。
銭形平次捕物控:129 お吉お雪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その間に妙な
詭計
(
トリック
)
が行われたのだ——君の体力で、この屋上からビルディングの外側を、窓わくと雨樋とバルコニーを伝わって、下へおりる工夫はないか」
九つの鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
近頃の人気作家エレリイ・クイーンには、ピアノの象牙の
鍵
(
キー
)
の間に小さく畳んだ密書を隠して、そのピアノを弾く者に発見させるように仕向けた、味の細かい
詭計
(
トリック
)
を用いた小説がある。
探偵小説と音楽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その出世作「カナリア殺人事件」の重大な
詭計
(
トリック
)
は、ベートーヴェンの第五シンフォニー第二楽章アンダンテのレーベルを貼ったレコードに針を落すと、
暫
(
しば
)
らくの間は音楽も何んにも聴えず
探偵小説と音楽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
日頃の平次にない
詭計
(
トリック
)
です。
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“詭計”の意味
《名詞》
人を騙して陥れるための計略。
(出典:Wiktionary)
詭
漢検1級
部首:⾔
13画
計
常用漢字
小2
部首:⾔
9画
“詭計”で始まる語句
詭計偽善