“閂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんぬき93.4%
くわんぬき1.7%
かんのき1.7%
かきがね0.8%
くわんのき0.8%
カンヌキ0.8%
スヰツチ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
馬耳は沓脱くつぬぎへ降り、戸にかんぬきをおろした。尨大な夜の深さが、馬耳の虚しい寂寥を漂白するために、ひえびえと身体を通過していつた。
(新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
「とはいふものゝ、これでけりがついて欲しいものだ。」と、重い庭の門を閉ぢてくわんぬきをかけたときに、ロチスター氏は附け加へた。
「敲いても駄目だ。ひとりで開けて入れ」と云う声が聞えただけであった。彼はどうしたらこの門のかんのきを開ける事ができるかを考えた。そうしてその手段と方法を明らかに頭の中でこしらえた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ガラスの障子が閉切たてきってあるのでございますが、何時も内側からかきがねをかけていられたのでございます。
たゝいても駄目だめだ。ひとりでけてはひれ」とこゑきこえただけであつた。かれうしたらこのもんくわんのきけること出來できるかをかんがへた。さうしてその手段しゆだん方法はうはふあきらかにあたまなかこしらえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
書庫は丸太造りの頑丈なもので、その内側からカキガネカンヌキ)が下ろされていた。勿論、犯人の隠れる所も、ドア以外からは出られるすき一つなかった。
(新字新仮名) / 楠田匡介(著)
水車小屋の三階の窓から伯五郎の到来を視守つてゐる雪太郎が芋畑の彼方に提灯の灯を認めるがいなや、ラツパを吹いてミヅグルマのスヰツチを切るのだ。
沼辺より (新字旧仮名) / 牧野信一(著)