くわんぬき)” の例文
「とはいふものゝ、これでけりがついて欲しいものだ。」と、重い庭の門を閉ぢてくわんぬきをかけたときに、ロチスター氏は附け加へた。
「門をしめて、くわんぬきをさして戻つて来たのです。」
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
けれども用心深すぎる方が何よりだと、私はいつも思つてをります。早速戸締りをしつかりして、間違ひが起らないやうに、くわんぬきをかけておく方がよろしうございます。
人が歸り去つてしまふと、私は誰も妨げる者の無いやうに、閉ぢ籠つてくわんぬきをさしてしまつた。