“かきがね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カキガネ
語句割合
52.6%
掛金15.8%
掛鐶5.3%
掻金5.3%
鉤金5.3%
鎖鑰5.3%
5.3%
5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は扉のかきがねを上げて(それもほんの今し方まで真鍮だったものが、彼の指が離れた時にはもう金になっていた)、庭へ出ました。
母が履脱くつぬぎへ降りて格子戸の掛金かきがねを外し、ガラリと雨戸を繰ると、さっと夜風が吹込んで、雪洞ぼんぼりの火がチラチラとなびく。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
おろおろしつつも庭の柴折戸しおりど進寄すすみより音せぬように掻金かきがねをはずすと、おのずから開く扉の間から物腰のやさし気な男が一人手拭てぬぐいに顔をかくしわぬばかりに身をかがめて忍び入った。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
網の目のように入り乱れたその騒々しい小路は、流言蜚語ひごで満たされた。人々はできるだけの武装をした。ある指物師さしものしらは、「戸を破るため」に仕事台の鉤金かきがねを持ち出した。
女「ハイ御用があったらお手を、此の開きは内から鎖鑰かきがねが掛りますから」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
辛張しんばりをかって置いて表をのぞくと人が居る様子だから、しっかかきがねを掛けて燈光あかりを消し、庖丁の先で箪笥の錠をガチ/\やってようやく錠を明け、取出した衣類を身にまとい、大小を差して
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ガラスの障子が閉切たてきってあるのでございますが、何時も内側からかきがねをかけていられたのでございます。