掻金かきがね)” の例文
おろおろしつつも庭の柴折戸しおりど進寄すすみより音せぬように掻金かきがねをはずすと、おのずから開く扉の間から物腰のやさし気な男が一人手拭てぬぐいに顔をかくしわぬばかりに身をかがめて忍び入った。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)