“掻乱”のいろいろな読み方と例文
旧字:掻亂
読み方割合
かきみだ93.8%
かきこわ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今朝方、あかつきかけて、津々しんしんと降り積った雪の上を忍び寄り、狐は竹垣の下のを掘って潜込くぐりこんだものと見え、雪と砂とを前足で掻乱かきみだした狼藉ろうぜきの有様。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
倒れながらきっとそのおもてを上げると、翼で群蝶を掻乱かきみだして、白いけぶりの立つ中で、鷲はさっと舞い上るのを、血走った目にみつめながら少年はと立った。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しまいには絹手帕ハンケチも鼻をんで捨て、香水は惜気もなく御紅閨おねまに振掛け、気に入らぬ髪は結立ゆいたて掻乱かきこわして二度も三度も結わせ、夜食好みをなさるようになって、糠味噌ぬかみその新漬に花鰹はながつおをかけさせ
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)