“掻口説”の読み方と例文
読み方割合
かきくど100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夫を、兄弟を、あるいは情人を送ろうとして、熱狂した婦人がその列に加わり、中には兵士の腕をかかえて掻口説かきくどきながら行くのも有った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そう私の前もなく掻口説かきくどいてのお嘆きでした。ほんとに前に坐しているに耐えないようなご苦悶くもんに見えました。よくよくなお覚悟と思われまする
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と悲しい声を張りあげて、断末魔のやうに身体を顫はせて掻口説かきくどいてゐた。その痴川を麻油は母親のやうに抱いてやつて、けたたましく笑ひ出したが
小さな部屋 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)