“かけがね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
掛金42.9%
22.9%
懸金20.0%
掛鉄2.9%
掛錠2.9%
賭金2.9%
釦金2.9%
鎖鑰2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「奥さん!」——ものの二もしたかと思うとき、掛金のかかったカテリーナ・リヴォーヴナの部屋の戸の向うで、誰やら言った者がある。
たゞがかけてあるきりの門を這入ると、私は圍みの中の空地の眞中に立つてゐた。そこは半圓形に森の樹が伐り拂つてあつた。
瓦斯の火が済むと、マッチの箱をへ入れて、入口へ往って障子を開け、それから懸金になった錠前に指をかけた。錠前は氷のように冷たかった。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
源氏はその女房たちも皆寝静まったころに、掛鉄をはずして引いてみると襖子はさっとあいた。向こう側には掛鉄がなかったわけである。そのきわに几帳が立ててあった。
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
しありしかば甚兵衞勝手はて覺え居れば今日こそ好機なれと裏口り水口をて見ればの如く掛錠けざる樣子故シテたりとと入り居間箪笥
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一局、勝敗がついたとみえ、盤の下にかくしてある賭金を、うように懐中へしまいこんで
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「オイ、お前はとにかく、友人の処へ手紙をやったらどうか、頸飾りの釦金が壊れたから直しにやってあるとでも書いて、——え、その内には如何にか工夫のたつまいものでもない」
頸飾り (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
も助かりそうは無い……まアこれ表の鎖鑰を掛けろ、も這入ってはまいが、し来ては成らぬから締りをして参れ、これ誠に気の毒な事だけれども、も刃物で切込まれるから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)