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懸金
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かけがね
ふりがな文庫
“
懸金
(
かけがね
)” の例文
この扉を開くには、まず潜り戸の輪、
懸金
(
かけがね
)
の
錠
(
じょう
)
を
外
(
はず
)
して中に入って
閂
(
かんぬき
)
を除いて、それから扉を左右に開くようになっている。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
瓦斯の火が済むと、マッチの箱を
懐
(
ふところ
)
へ入れて、入口へ往って
障子
(
しょうじ
)
を開け、それから
懸金
(
かけがね
)
になった
錠前
(
じょうまえ
)
に指をかけた。錠前は氷のように冷たかった。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
またいわく小屋に小馬を入れ戸を
闔
(
とざ
)
して内に
横扃
(
よこさし
)
外に
懸金
(
かけがね
)
をさし置くに
毎
(
いつ
)
も小馬が戸外に出居るを不思議と主人が
窺
(
うかが
)
うに小馬まず自ら
扃
(
さし
)
を抜き嘶くと
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
やがてひっそりと
局
(
つぼね
)
の中が寝静まった様子であったが、その時不意に、平中の
凭
(
よ
)
りかゝっている戸の内側に人のけはいがして、カタリと
懸金
(
かけがね
)
を
外
(
はず
)
す音がした。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これを見、彼を聞きたりし、伝内は何とかしけむ、つと身を起して土間に
下立
(
おりた
)
ち、ハヤ
懸金
(
かけがね
)
に手を懸けつ。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
それはなんだか
俄
(
にわか
)
にトランクの中へ或る重い物が入ったように感じたのである。そこで彼は念のためトランクをゴム靴を並べてあるその上に置くと、トランクの
懸金
(
かけがね
)
をひらいて開けてみた。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「………彼処の
障子
(
しょうじ
)
の
懸金
(
かけがね
)
を掛けて来るのを忘れましたわ。ちょっと掛けて参りますわね」
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
藤枝は門の
懸金
(
かけがね
)
をかけ、飛びだしたままで開け放してあった玄関の障子を締めて、刀を
脱
(
と
)
りながら次の
室
(
へや
)
へ往った。
姝
(
きれい
)
な女が行燈の前で
胡坐
(
あぐら
)
をかいて、傍に
飯櫃
(
めしびつ
)
を引き寄せて飯を
喫
(
く
)
っていた。
女賊記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
“懸”で始まる語句
懸
懸念
懸想
懸隔
懸崖
懸合
懸命
懸引
懸物
懸値