“几帳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きちょう89.1%
きちやう8.7%
とばり2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東の住居の西の対の玉鬘の姫君は南の寝殿に来て、こちらの姫君に面会した。紫夫人も同じ所にいて几帳だけを隔てて玉鬘と話した。
源氏物語:23 初音 (新字新仮名) / 紫式部(著)
が、蝶鳥几帳を立てた陰に、燈台の光をしがりながら、男と二人むつびあふ時にも、嬉しいとは一夜も思はなかつた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ながやかな黒髪とその姿を、匂いの糸がゆるく巻いてくるにつれ、蕭条と、遠い夜雨の声も几帳の内に沁み入ってくる。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)