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几帳
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とばり
ふりがな文庫
“
几帳
(
とばり
)” の例文
ながやかな黒髪とその姿を、匂いの糸がゆるく巻いてくるにつれ、
蕭条
(
しょうじょう
)
と、遠い
夜雨
(
やう
)
の声も
几帳
(
とばり
)
の内に沁み入ってくる。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みかどが
夜
(
よる
)
ノ
御殿
(
おとど
)
にいることなく、栄子の
几帳
(
とばり
)
や
后町
(
きさきまち
)
の
局々
(
つぼねつぼね
)
を、毎夜毎夜かえておいでであろうと、帰るところは自分のほかにないものときめていた。またそう信じていいだけの理由もある。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“几帳”の解説
几帳(きちょう)は、平安時代以降公家の邸宅に使われた、二本のT字型の柱に薄絹を下げた間仕切りの一種。
簾の内側に立てて二重の障壁とするほか、可動式の間仕切り・目隠しとして大きな部屋の仕切りに使ったり、参拝の折など高貴の婦人の身を衆目から隠す障壁、荷物などを見苦しくないよう隠しておく目隠しなどとしてわりに広い用途に用いられた。
変わった用途としては、女房が街道を歩くときに傍仕えの女の童二人に小型の几帳を持たせて顔を隠す「差几帳(さしきちょう)」がある。
(出典:Wikipedia)
几
漢検1級
部首:⼏
2画
帳
常用漢字
小3
部首:⼱
11画
“几帳”で始まる語句
几帳面
几帳窓
几帳御厨子