“蕭条”のいろいろな読み方と例文
旧字:蕭條
読み方割合
しょうじょう81.0%
せうでう13.1%
しめやか2.4%
しようじよう1.2%
ひっそ1.2%
ショウジョウ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「このこころつい蕭条しょうじょう」というくだりを繰り返し半蔵に読み聞かせるうちに、熱い涙がその男らしいほおを伝って止め度もなく流れ落ちた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
蕭条せうでうたる冬木立に接しては、これ以上、この峠で、皮膚を刺す寒気に辛抱してゐることも無意味に思はれ、山を下ることに決意した。
富嶽百景 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
この流派のつねとして極端に陰影の度を誇張した区劃の中による小雨こさめのいと蕭条しめやか海棠かいどう花弁はなびらを散す小庭の風情ふぜいを見せている等は、誰でも知っている、誰でも喜ぶ
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
村落は悲しげに寄り合ひ、蕭条しようじようたる山のふもとで、人間の孤独にふるへてゐる。そして真暗な夜の空で、もろこしの葉がざわざわと風に鳴る時、農家の薄暗い背戸せどうまやに、かすかに蝋燭ろうそくの光がもれてゐる。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
田口の玄関はこの間と違って蕭条ひっそりしていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蕭条ショウジョウタル孤屋コオク、一トウカス
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)