“蕭条:せうでう” の例文
“蕭条:せうでう”を含む作品の著者(上位)作品数
芥川竜之介5
石川啄木2
嘉村礒多1
国木田独歩1
太宰治1
“蕭条:せうでう”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 日本文学0.5%
歴史 > 伝記 > 個人伝記0.4%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
それは十一月のちかづいたことを思はせるやうな蕭条せうでうとした日で、湿つた秋の空気が薄いけぶりのやうに町々を引包んで居る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
道幅の莫迦に広い停車場通りの、両側のアカシヤの街樾なみきは、蕭条せうでうたる秋の雨に遠く/\煙つてゐる。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
W君は太い杖を振り振り、かうわたしに話しかけた。同時にわたしは心の中にありありと其処そこを思ひ浮べた。あの蕭条せうでうとした先生の書斎を。
漱石山房の冬 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
蕭条せうでうとした岸の柳の枯枝をへだてゝ、飯山の町の眺望ながめは右側にひらけて居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その上今日けふはどう云ふ訳か、公園の外の町の音も、まるで風の落ちた海の如く、蕭条せうでうとした木立こだちの向うに静まり返つてしまつたらしい。
東洋の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
間もなく汽車は蕭条せうでうたる一駅に着いて運転を止めたので余も下りると此列車より出た客は総体で二十人位に過ぎざるを見た、汽車は此処より引返すのである。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
この故に尾形乾山は蕭条せうでうたる陋巷ろうかうに窮死した。
大久保湖州 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一種蕭条せうでうたる松の歌ひ声を聞き乍ら。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
すなはちこの古帽と共に甲板に出れば、細雨蕭条せうでうとして横さまに痩頬そうけふを打ち、心頭りんとして景物皆悲壮、船首に立ち、帆綱を握つて身を支へ、まなじりを決して顧睥こへいするに
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
正にあの蕭条せうでうたる貸本屋である。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そのはてには、一帯の山脈が、日に背いてゐるせゐか、かがやく可き残雪の光もなく、紫がかつた暗い色を、長々となすつてゐるが、それさへ蕭条せうでうたる幾叢いくむら枯薄かれすすきさへぎられて、二人の従者の眼には、はいらない事が多い。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
私は二階の部屋でそれにもぐつて、この茶店の人たちの親切には、しんからお礼を言ひたく思つて、けれども、もはやその全容の三分の二ほど、雪をかぶつた富士の姿を眺め、また近くの山々の、蕭条せうでうたる冬木立に接しては、これ以上、この峠で、皮膚を刺す寒気に辛抱してゐることも無意味に思はれ、山を下ることに決意した。
富嶽百景 (新字旧仮名) / 太宰治(著)