“通過”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つうか22.4%
とおりす18.4%
とほりす14.3%
とおりすぎ10.2%
とおりこ8.2%
つうくわ6.1%
とほりこ4.1%
パツス4.1%
とおり2.0%
とおりすご2.0%
とほりすぎ2.0%
よぎ2.0%
トランシット2.0%
トランジト2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もしそこを通過つうかするのがよるであるならば、ばされた赤熱鎔岩せきねつようがん斜面しやめんながくだつて、あるひ途中とちゆうまり、あるひ海中かいちゆうまで進入しんにゆうするのがられるが
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
わたくしはその仕事をすましてからの帰途、ぶらぶら公園を通過とおりすぎて、ふと池のふちに立っているオペラ館の楽屋口へ這入はいって見たのだ。
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
つれかたみんな通過とほりすぎてしまつたやうでござりますで、大概たいがい大丈夫だいぢやうぶでござりませう。徐々そろ/\曳出ひきだしてませうで。いや、うもの、あれでござりますよ。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何でも私に目認みとめられまいと思う様に本統ほんとうに憎いじゃ有ませんか廊下の燈明あかりが充分で無いのを幸いちょい/\と早足に通過とおりすぎました
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
誰しも一度は通過とおりこさねば成らないような女性に対する情熱をそれらの人達の生涯に結び着けて想像するように成った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
之より国境を通過つうくわして清水越しみづごえいたらんには、少くとも十数日の日子をえうし、又利根岳より尾瀬沼即ち岩代と上野の国境にでんにも亦十余日をえうすべし
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
まして、さま/″\な境涯を通過とほりこして、た逢ふ迄の長い別離わかれを告げる為に、互に可懐なつかしい顔と顔とを合せることが出来ようとは。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
瞬く間、窓の外が明るくなつたと思ふと、汽車は、とある森の中の小さい驛を通過パツスした。お定は此時、丑之助の右の耳朶みゝたぶの、大きい黒子ほくろを思出したのである。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
した覚えはございません。りましたのは水芸の滝の白糸という者の金で、桐田のかど通過とおりもしませんっ
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
往々おうおうにあったのだが、その頃に、其処そこあとから汽車で通過とおりすごすると、そんな山の中で、人家の無い所に、わいわいいって沢山の人々があつまっているのが、見えるのだ。
大叫喚 (新字新仮名) / 岩村透(著)
何時もにたにた笑ひかけるのを、知らんかほして通過とほりすぎるのであつたが、三田はその日思ひ切つて此方から聲をかけた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
やがて一つの室へ出たが、数馬の早速の早業で番兵三人に当身あてみをくれ、気絶するところを縛り上げたので、無事にその室を通過よぎることが出来た。と、また高い階段となる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いよいよ星が見え出しても口にくわえた煙草を捨てないで望遠鏡をのぞいていると煙が直上して眼を刺戟し、肝心な瞬間に星の通過トランシットを読み損なうようなことさえあった。
喫煙四十年 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その他男女共通に、眼、耳、手、足をおのおの二つ、鼻、口を一個ずつ特に旅行中の便宜のために黙認している。しかし、これが単なる通過トランジトならばよほど寛大だ。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)