“とほりこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
通越71.4%
通過28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
要心えうじん通越とほりこした臆病おくびやうところへ、かわくのは空腹ひもじいにまさるせつなさで、ひとつはそれがためにもつい出億劫でおつくふがるのがくせで。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ね——義兄にいさん、……お可哀相かあいさうは、とつくのむかし通越とほりこして、あんな綺麗きれいかたうおなくなんなさるかとおもふと、真個ほんとう可惜あつたらものでならないんですもの。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まして、さま/″\な境涯を通過とほりこして、た逢ふ迄の長い別離わかれを告げる為に、互に可懐なつかしい顔と顔とを合せることが出来ようとは。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
蘿月らげつは悲しいとかさびしいとかふ現実の感慨かんがい通過とほりこして、だ/\不思議ふしぎな気がしてならない。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)