“可惜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あたら74.7%
あったら9.9%
おし3.3%
をしむべし3.3%
あつたら2.2%
いと1.1%
いとおし1.1%
いとし1.1%
おしむべくは1.1%
をし1.1%
をしい1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十五町歩の林檎園に、撰屑よりくづの林檎の可惜あたら轉がるのを見た。種々の林檎を味はうた。夜はY君の友にして村の重立たる人々にも會うた。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
「艶じゃア無い、真個ほんとにサ。如才が無くッてお世辞がよくッて男振も好けれども、唯物喰ものぐいのわりいのが可惜あったらたまきずだッて、オホホホホ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
所が版本の原書なれば飜訳も出来るが、講義筆記であるからその講義を聴聞した本人でなければ何分にも分り兼ねる、誠に可惜おしい宝書で御座ござるといっ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
可惜をしむべし、此二書の世に出たるより、余をしてかねて元禄文学に面白からずと思ひしところを、此二書を通じて訴へ出づるの止むを得ざるに至らしめぬ。
ね——義兄にいさん、……お可哀相かあいさうは、とつくのむかし通越とほりこして、あんな綺麗きれいかたうおなくなんなさるかとおもふと、真個ほんとう可惜あつたらものでならないんですもの。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれども頑固な父は女給であると云う事だけで私達の結婚をどうしても許さなかった。父にして見れば早く妻に別れて、男手一つで育て上げた一人息子は掌中の珠より可惜いとしかった。
愛の為めに (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
可愛い夫が可惜いとおしがる大切なおしゅうの娘、ならば身替りにも、と云う逆上のぼせ方。すべてが浄瑠璃の三のきりを手本だが、憎くはない。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真珠色をしたゆうべの闇が純白の石楠花しゃくなげの大輪の花や、焔のような柘榴ざくろの花を、可惜いとしそうに引き包み、せ返えるような百合の匂が、窓から家内へ流れ込む。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
到底その任にあらざることは知りながら、ことわることのいたって下手な小生のこととて、ついうかうかとひき受けて、この駄文を草し、可惜おしむべくは錦上枯木を添ふるの不風流をあえてした。
の一のかはをがれたために可惜をしや、おはるむすめ繼母まゝはゝのために手酷てひど折檻せつかんけて、身投みなげをしたが、それのちこと
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
心状しんじやうのほどはらず、仲問ちうげん風情ふぜいには可惜をしい男振をとこぶりわかいものが、鼻綺麗はなぎれいで、勞力ほねをしまずはたらくから、これはもありさうなこと上下かみしもこぞつてとほりがよく、元二げんじ元二げんじたいした評判ひやうばん
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)