-
トップ
>
-
通越
読み方 | 割合 |
とおりこ | 50.0% |
とほりこ | 50.0% |
僕は君、悲しいなんていうところを
通越して、
呆気に取られて
了いました——まるで暴風にでも、自分の子供を
浚って持って行かれたような——
トントン……と二階
梯子を響かせながら、
酒膳を運んで来た女は、まアその色の黒きこと狸の如く、
煤け
洋燈の
明りに大きな眼を光らせて、
寧ろ滑稽は
怖味凄味を
通越している。
わびしさ……
侘しいと
言ふは、
寂しさも
通越し、
心細さもあきらめ
氣味の、げつそりと
身にしむ
思の、
大方、かうした
時の
事であらう。
可い
加減にしねえな。おい、
串戲ぢやねえ。お
前の
前だがね、
惡女の
深情つてのを
通越して
居るから、
鬼に
喰はれやしねえかツて、
皆友達が
案じて
居るんだ。