通越とほりこ)” の例文
わびしさ……わびしいとふは、さびしさも通越とほりこし、心細こゝろぼそさもあきらめ氣味ぎみの、げつそりとにしむおもひの、大方おほかた、かうしたときことであらう。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
加減かげんにしねえな。おい、串戲じようだんぢやねえ。おまへまへだがね、惡女あくぢよ深情ふかなさけつてのを通越とほりこしてるから、おにはれやしねえかツて、みな友達ともだちあんじてるんだ。
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
要心えうじん通越とほりこした臆病おくびやうところへ、かわくのは空腹ひもじいにまさるせつなさで、ひとつはそれがためにもつい出億劫でおつくふがるのがくせで。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ね——義兄にいさん、……お可哀相かあいさうは、とつくのむかし通越とほりこして、あんな綺麗きれいかたうおなくなんなさるかとおもふと、真個ほんとう可惜あつたらものでならないんですもの。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何処どこまでもひとしのいだ仕打しうち薬売くすりうり流盻しりめにかけてわざとらしうわし通越とほりこして、すた/\まへて、ぬつと小山こやまのやうなみち突先とつさき蝙蝠傘かうもりがさしてつたが、そのまゝむかふへりてえなくなる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)