トップ
>
可惜
>
あたら
ふりがな文庫
“
可惜
(
あたら
)” の例文
十五町歩の林檎園に、
撰屑
(
よりくづ
)
の林檎の
可惜
(
あたら
)
轉がるのを見た。種々の林檎を味はうた。夜はY君の友にして村の重立たる人々にも會うた。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
十五町歩の林檎園に、
撰屑
(
よりくず
)
の林檎の
可惜
(
あたら
)
転
(
ころ
)
がるのを見た。種々の林檎を味わうた。夜はY君の友にして村の重立たる人々にも会うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
……
可惜
(
あたら
)
、あなたほどな人物を、七年もこの地の牢城長官の小使みたいに朽ちさせておくのは
勿体
(
もったい
)
ないし、また将来とても、とうてい
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
可惜
(
あたら
)
、鼓のしらべの緒にでも干す事か、縄をもって一方から引窓の紐にかけ渡したのは
無慙
(
むざん
)
であるが、
親仁
(
おやじ
)
が心は優しかった。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御邊
(
ごへん
)
の
可惜
(
あたら
)
武士を捨てて世を
遁
(
のが
)
れ給ひしも、扨は横笛が深草の里に
果敢
(
はか
)
なき終りを
遂
(
と
)
げたりしも、起りを糾せば
皆
(
みな
)
此の重景が所業にて候ぞや
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
可惜
(
あたら
)
非凡の天才も空しく獄裡の骨となりおわり、明教を垂れて万世を益することが出来なかったかも知れないのである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
意味も分らぬ言葉を
弄
(
もてあそ
)
んで、いや、言葉に
弄
(
もてあそ
)
ばれて、
可惜
(
あたら
)
浮世を夢にして渡った。詩人と名が附きゃ、皆普通の人より
勝
(
まさ
)
ってるように思っていた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
人を
欺
(
だま
)
いて
可惜
(
あたら
)
しき若き命をむざむざと枯木の如く
朽
(
く
)
ちさす教……(やうやう夢幻的になり)
某
(
それがし
)
在家の折柄は蝴蝶は花に舞ひ戯れ、鳥が歌へばわが心
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
今
(
いま
)
我
(
わ
)
れ
松野
(
まつの
)
を
捨
(
す
)
てゝ
竹村
(
たけむら
)
の
君
(
きみ
)
まれ
誰
(
た
)
れにまれ、
寄
(
よ
)
る
邊
(
べ
)
を
开所
(
そこ
)
と
定
(
さ
)
だめなば
哀
(
あは
)
れや
雪三
(
せつざう
)
は
身
(
み
)
も
狂
(
きやう
)
すべし、
我
(
わが
)
幸福
(
かうふく
)
を
求
(
もと
)
むるとて
可惜
(
あたら
)
忠義
(
ちうぎ
)
の
身
(
み
)
世
(
よ
)
の
嗤笑
(
ものわらひ
)
にさせるゝことかは
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
放浪者は腕を組合せたまま肩をすくめて、電車にも乗ろうとしないで灯影の少い街に向って消えてゆく。
可惜
(
あたら
)
かわした上衣の襟に袖に、降りそそぐ氷雨をまともに受けて。
流転
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
しかれども用語、句法の美これに伴はざらんには、
可惜
(
あたら
)
意匠の美を活動せしめざるのみならず、かへつてその意匠に一種厭ふべき俗気を帯びたるが如く感ぜしむることあり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
こうして数十百年を経たであろう
可惜
(
あたら
)
良材が空しく朽ち果ててしまうのは勿体ないことだ。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
肝腎のこの艶蒐集も偏奇館炎上とともに失せ
可惜
(
あたら
)
佳人の面影は戦火に灰燼となつた。
永井荷風
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
可惜
(
あたら
)
二十一の花を散らした原因はこんなところにあつたのかも知れないのです。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そんなことがあってはならぬと思うから、
可惜
(
あたら
)
ものをつい割ってしもうた。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
可惜
(
あたら
)
舟を出して彼岸に到り得ず、憂くも道に迷ひて
穢土
(
ゑど
)
に復還るに至る。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
と、そんな悔いさえ交じって、
可惜
(
あたら
)
、棒に振った生涯が、腹が立って、
堪
(
たま
)
らない。——しかし自分だけは、多少はやりかけた、と
慰
(
なぐさ
)
めた。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寧
(
いっ
)
その事小説家になって了おう。法律を学んで望み通り政治家になれたって、仕方がない。政治家になって
可惜
(
あたら
)
一生を
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ああ是れ皆此の身、此の横笛の
爲
(
な
)
せし
業
(
わざ
)
、
刃
(
やいば
)
こそ當てね、
可惜
(
あたら
)
武士を手に掛けしも同じ事。——思へば思ふほど、
乙女心
(
をとめごゝろ
)
の
胸
(
むね
)
塞
(
ふさが
)
りて
泣
(
な
)
くより外にせん
術
(
すべ
)
もなし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
黒き人影あとさきに、駕籠ゆらゆらと釣持ちたる、
可惜
(
あたら
)
その露をこぼさずや、
大輪
(
おおりん
)
の菊の雪なすに、月の光照り添いて、山路に白くちらちらと、見る目
遥
(
はるか
)
に下り
行
(
ゆ
)
きぬ。
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
君
(
きみ
)
ゆゑこそ
可惜
(
あたら
)
青年
(
わかもの
)
一人
(
ひとり
)
、
此處
(
こヽ
)
にかく
淺
(
あさ
)
ましき
躰
(
てい
)
たらくと、
窓
(
まど
)
の
小笹
(
をざヽ
)
を
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
そよとも
告
(
つ
)
げねば、
知
(
し
)
らぬ
令孃
(
ひめ
)
は
大方
(
おほかた
)
部屋
(
へや
)
に
籠
(
こも
)
りて、
琴
(
こと
)
の
音
(
ね
)
などにいよいよ
心
(
こヽろ
)
を
腦
(
なや
)
まさせけるが
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
大きな男でしたが、火葬されたので、
送葬
(
そうそう
)
の
輿
(
こし
)
は軽く、あまりに軽く、一盃機嫌で
舁
(
か
)
く人、送る者、笑い、ざわめき、陽気な葬式が皮肉でした。
可惜
(
あたら
)
男
(
おとこ
)
をと私はまた残念に思うたのでありました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
いくら今の鍛冶が、
小賢
(
こざか
)
しく、真似てみても、もう二度と、この日本でもできない名刀を——実に、
可惜
(
あたら
)
くやしいことじゃございませんか
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何事ぞ、眞の武士の
唇頭
(
くちびる
)
に
上
(
の
)
ぼすも
忌
(
いま
)
はしき一女子の色に迷うて、
可惜
(
あたら
)
月日
(
つきひ
)
を
夢現
(
ゆめうつゝ
)
の境に
過
(
すご
)
さんとは。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
心状
(
しんじやう
)
のほどは
知
(
し
)
らず、
中間
(
ちうげん
)
風情
(
ふぜい
)
には
可惜
(
あたら
)
男振
(
をとこぶり
)
の、
少
(
すくな
)
いものが、
身綺麗
(
みぎれい
)
で、
勞力
(
ほね
)
を
惜
(
をし
)
まず
働
(
はたら
)
くから、これは
然
(
さ
)
もありさうな
事
(
こと
)
で、
上下
(
じやうげ
)
擧
(
こぞ
)
つて
通
(
とほ
)
りがよく、
千助
(
せんすけ
)
、
千助
(
せんすけ
)
と
大
(
たい
)
した
評判
(
ひやうばん
)
。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
終ひに何物の業とも知れで、一月の後には風説もあとなく成りぬ、疵は猶さら半月の療治に
可惜
(
あたら
)
男の直打も下らず、よし痕は殘るとも向ひ疵とてほこられんか
可笑
(
をか
)
し、才子の君
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
日本に
可惜
(
あたら
)
疵
(
きず
)
の随一に
算
(
かぞ
)
へてゐられる。
露都雑記
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
わしはもうお側から離れずにいたが、
叱咤
(
しった
)
を聞くにつけ、自分の
生命
(
いのち
)
も、
可惜
(
あたら
)
、むだな所では取落すまいと思った事だった。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
送
(
おく
)
るや
可惜
(
あたら
)
若木
(
わかき
)
の
花
(
はな
)
におくれて
死
(
し
)
ぬべき
病
(
やまひ
)
は
癒
(
いえ
)
たるものゝ
僅
(
わづ
)
か
手内職
(
てないしよく
)
の
五錢
(
ごせん
)
六錢
(
ろくせん
)
露命
(
ろめい
)
をつなぐ
術
(
すべ
)
はあらじを
怪
(
あや
)
しのことよと
尋
(
たづ
)
ねるに
澆季
(
げうき
)
の
世
(
よ
)
とは
聞
(
き
)
くものゝ
猶
(
なほ
)
陰徳者
(
いんとくしや
)
なきならで
此薄命
(
このはくめい
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
視
(
なが
)
むれば、その
浅葱
(
あさぎ
)
の紐が、丈なる髪を、肩のあたりで仕切ったので、乱れた
手絡
(
てがら
)
とは風情異り、何となく里の女が手拭を掛けたよう、品を損ねて見えたので、男は
可惜
(
あたら
)
しく思ったろう。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
可惜
(
あたら
)
、おぬしほどな才をこの世にもって生れながら、その百分の一の思いも世に果さないでは、死にたくないが当りまえじゃ
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
子爵
(
ししやく
)
の
君
(
きみ
)
最愛
(
さいあい
)
のおもひ
者
(
もの
)
など、
桐壼
(
きりつぼ
)
の
更衣
(
かうい
)
めかしき
優
(
や
)
さ
形
(
がた
)
なるが、
此奧方
(
このおくがた
)
の
妬
(
ねた
)
みつよさに、
可惜
(
あたら
)
花
(
はな
)
ざかり
肺病
(
はいびやう
)
にでもなりて、
形見
(
かたみ
)
の
止
(
とゞ
)
めし
令孃
(
ひめ
)
ならんには、
父君
(
ちヽぎみ
)
の
愛
(
あい
)
いかばかり
深
(
ふか
)
かるべきを
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
初めて、兼好が見たときから、擦過傷らしい
痕
(
あと
)
は気になっていたが、いま見ると、眼は無事らしいが、
可惜
(
あたら
)
、瞼のあたりが薄紫に変じている。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見る目は人の
咎
(
とが
)
にして、有るまじき事と思ひながらも、立ちし浮名の消ゆる時なくば、
可惜
(
あたら
)
白玉の
瑕
(
きず
)
に成りて、其身一生の不幸のみか、あれ見よ伯母そだてにて投げやりなれば、薄井の娘が
不品行
(
ふしだら
)
さ
雪の日
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼も、この日、この戦場で、秀吉子飼のひとり、加藤孫六の手に討たれ、
可惜
(
あたら
)
、三十八歳の有為を、
拭
(
ぬぐ
)
い得ない汚名と、取り換えてしまった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
手
(
て
)
づからなる
名譽
(
めいよ
)
はあれど、
戀
(
こひ
)
に
本尊
(
ほんぞん
)
あれば
傍
(
わき
)
だちに
觸
(
ふ
)
れる
眼
(
め
)
なく、一
心
(
しん
)
おもひ
込
(
こ
)
みては
有
(
あり
)
し
昔
(
むか
)
しの
敏
(
さとし
)
ならで、
可惜
(
あたら
)
廿四の
勉強
(
べんきやう
)
ざかりを
此体
(
このてい
)
たらく
殘念
(
ざんねん
)
とも
思
(
おも
)
はねばこそ、
甚之助
(
じんのすけ
)
に
追從
(
つゐしよう
)
しあるきて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
可惜
(
あたら
)
な奴よ。なんで
汝
(
な
)
れは公卿に生れず、鎌倉武士などに生れついた。生れ直せ。まだ青い若入道、時しあれば、生れ直せぬこともないわさ」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
澄
(
す
)
ますに
吹
(
ふ
)
き
渡
(
わた
)
る
風
(
かぜ
)
定
(
さだ
)
かに
聞
(
きこ
)
えぬ
扨
(
さて
)
追手
(
おつて
)
にもあらざりけりお
高
(
たか
)
支度
(
したく
)
は
調
(
とゝの
)
ひしか
取亂
(
とりみだ
)
さんは
亡
(
な
)
き
後
(
のち
)
までの
恥
(
はぢ
)
なるべし
心靜
(
こゝろしづ
)
かにと
誡
(
いまし
)
める
身
(
み
)
も
詞
(
ことば
)
ふるひぬ
慘
(
いた
)
ましゝ
可惜
(
あたら
)
青年
(
せいねん
)
の
身
(
み
)
花
(
はな
)
といはゞ
莟
(
つぼみ
)
の
枝
(
えだ
)
に
今
(
いま
)
や
吹
(
ふ
)
き
起
(
おこ
)
らん
夜半
(
よは
)
の
狂風
(
きやうふう
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
可惜
(
あたら
)
、胸と胸を打ち割って、語りあえば分る——敵ならぬ敵と、かくも死闘して、かくも長い月日をここに費やすとは」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ほかならぬ佐々介三郎の思い極めたこと、おれの諫めなどは、むだとは思うが、
可惜
(
あたら
)
、犬死する愚を、見ているに忍びぬ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
密
(
ひそ
)
かに京都へ引っ返して、六波羅の近傍を
彷徨
(
さまよ
)
っていたところ、たちまち平家の捕吏に発見されて、六条河原に曳き出され、
可惜
(
あたら
)
、
二十歳
(
はたち
)
の春を
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを余りにはっきりと呉に援けを約されたのは、この千載一遇の好機を
可惜
(
あたら
)
、逃がしたようなものかと存ぜられます。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さては、昨夜の山伏の
詭計
(
きけい
)
だったか。浅ましくもまた、卑劣な賊めら。人を見損のうて、
可惜
(
あたら
)
一命をむだにするな」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人寿天運
(
じんじゅてんうん
)
、ぜひなきところ。しかし名匠の作は、
流玩転賞
(
るがんてんしょう
)
が原則である。
可惜
(
あたら
)
、兵火の犠牲になすべきではあるまい。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おお皆の者、無用な血を浴びて
可惜
(
あたら
)
命を棄てまいぞ、まずその太刀を双方とも
退
(
ひ
)
いたがよい。
強
(
た
)
って
退
(
ひ
)
くの退かぬという者あらば
妾
(
わらわ
)
が
対手
(
あいて
)
じゃ!」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天下には、
可惜
(
あたら
)
、そういう
角
(
かど
)
が取れないために、折角の偉材名石でありながら、野に
埋
(
うも
)
れている石が限りなくある。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きょうの
如月
(
きさらぎ
)
の
碧空
(
あおぞら
)
を見るような
眸
(
ひとみ
)
も、
朱
(
あか
)
い
唇
(
くち
)
も、白珠の歯も、
可惜
(
あたら
)
、近日のうちには、土中になる運命のものかと思うと、見るに耐えないのであった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ただ、寺域は広い。
伽藍
(
がらん
)
も多い。やるとなれば、もう一応、
河尻
(
かわじり
)
殿へ沙汰して、これへ人数および、万全を尽さぬと、
可惜
(
あたら
)
、
野鼠
(
のねずみ
)
を逃がす
惧
(
おそ
)
れもある」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
可惜
(
あたら
)
、醜いものにする迄もない。考えれば自分というものも、ぽつんと、生れて消えるだけの一個ではないはずだ。先祖もある、これからの子孫もある。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「てまえは人相
観
(
み
)
でおざりませぬゆえ、
中
(
あた
)
らぬかもしれず、中らぬことを祈ってはおれど、御領主さまのどこかには、
可惜
(
あたら
)
、死相の
翳
(
かげ
)
がみえまするで……」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
惜
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
“可惜”で始まる語句
可惜物
可惜身