“輿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こし88.0%
4.0%
ごし2.9%
くるま2.3%
みこし1.7%
かご1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこに待つこと三十分ばかり。その間に、老中ろうじゅう初め諸大官が、あるいは徒歩、あるいは乗り物の輿こしで、次第に城内へと集まって来た。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その人びとの中には輿に乗る者もあれば、きょうに乗る者もあり、また馬やろばに乗る者もあり、舟で往く者もあった。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
こうした洛内へ、やがて伊吹の太平護国寺からは、光厳帝をはじめ、後伏見、花園たちのとらわれ輿ごしが、佐々木家の手で送り返されてきた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老婆は喜んで柳の住所を問い、女を後かられてゆくから、輿くるまに乗って早く帰って仕度をしておけ、そして界方を印に遺しておけといった。
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「話せるな、酒と聞いては足腰が立たぬけれども、このままお輿みこしを据えては例のお花主とくいに相済まぬて。」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何よりお前、私のお客、この大空の霧を渡って輿かごでおいでのお亀様にも、途中失礼だと思ったから、雨風と、はたた神で、鷹狩の行列を追崩す。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)