“こし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コシ
語句割合
44.7%
輿23.5%
12.0%
7.3%
枯死2.4%
高志1.8%
古志0.9%
故紙0.7%
0.7%
0.5%
(他:30)5.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
映画が済んで、みんな立ってしまったあと、ぼくは独り、舷縁ふなべりこしけ、柱に手をまいて暗い海をみていた。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
こしげ、あし突張つツぱつて、ながさをあやつつて、ごといで
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それを見ると、伊那から来ている助郷すけごうの中には腕をさすって、ぜひともお輿こしをかつぎたいというものが出て来る。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
驚くべし、孔明のうしろには、いつのまにか、冀城にのこしていた彼の母が、輿こしに載せられて、大勢の大将に守られている。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「坊ちやん、もうぢつとお家で遊んでいらつしやいましよ。さつき叔父さんがこしらへて下さいました旗をどうなさいまして?」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
商売物の万年筆でもこしらえて、一人で売りに出たらと勧める者もあったが、その万年筆がやっぱり一人ではできぬのだそうだ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
御順路の日割によると、六月二十六日鳥居峠お野立のだて、藪原やぶはらおよびみやこしお小休み、木曾福島御一泊。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
所謂いはゆるこしの松ふうしゆく女もいく人か住むといふやうな物しづかな屋しき町でもある。
しこうしてこの養子こそややもすれば枯死こしせんとする封建社会に、新活力を与うるおもなる要素たらざるはなし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
見ずや、上野の老杉ろうさんは黙々として語らず訴へず、独りおのれの命数を知り従容しょうようとして枯死こしし行けり。
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
八千矛の神のみことは、とほ/″\し高志こしの国にくはをありと聞かして、さかをありと聞こして……
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
次にヒコサシカタワケの命は、高志こし利波となみの臣・豐國の國さきの臣・五百原の君・角鹿のわたりの直の祖先です。
古志こし郡宮内の一王いちおう神社の東には、街道をへだてて田の中に十坪ほどの沼があり、そこの魚類も皆片目であったそうです。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
越後の古志こし郡にはカッカラカッカラと呼ぶ村もあり、福島県などにはカラスカラスとばかりいう所もある。
然らずんば、予が一生の汚辱を披瀝ひれきせんとする此遺書の如きも、結局無用の故紙こしたると何の選ぶ所かこれあらん。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
道衍の峻機しゅんき険鋒けんぼうを以て、しずかに幾百年前の故紙こしに対す、縦説横説、はなはれ容易なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「こら極道者め! 親の耳にも入れないで一人で情男いろおとここしらえるというのは何事じゃ! 」
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
神仙は銀製の長さ二寸ばかりあるトッコンと云う楽器、水晶でこしらえた亀のこうの形をした一寸五分ばかりのもの、鉄扇てっせんけんの四種の品をくれた。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「これは二円不足していますが、折角お政がこしらえて置いたのですから、取って下さい、そうませんと……」
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ですから三円だけ漸々ようようこしらえましたから……」
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
腰間こしの濡れ燕に催促されて、「人が斬りたい、人が斬りたい!」と、ジリジリ咽喉のどがかわくような気分になったときの丹下左膳は。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
こうとっさに決心した彼は、武蔵太郎と乾雲を腰間こしはいしてパッと雪の深夜へとび出したのだった。けたたましく呼ぶおさよの声をあとにして。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
今度こんどぼくくつしたをみてたまはるときれにもなにこしらへてたまはれ、よろしきか姉樣ねえさま
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しまいに肩にかけた箱の中から真鍮しんちゅうこしらえた飴屋あめやふえを出した。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それで近頃衣類を新しく調こしらえた形跡がなくて、通信用の書簡箋を鑑定するに及んで物資の窮乏を感ぜない、まア資産階級の仕業しごとと判った。
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
うかなんなら二三年もおいでなすって下されば猶宜いと存じます、なんで此の山家やまがでは何もございませんが、鹿を一匹撃って参りまして調こしらえましたが、何うか鹿で一杯召上って
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ニヤの古址こしでは、沢山の木簡が採集された。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
或日わたくしはいつもの如く中洲の岸から清洲橋を渡りかけた時、向に見える万年橋のほとりには、かつて芭蕉庵の古址こしと、柾木稲荷まっさきいなりやしろとが残っていたが、震災後はどうなったであろうと、ふと思出すがまま、これを尋ねて見たことがあった。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それをんな混て一旦いったん沸立にたたせて布巾ふきんこしてレモン油を小匙に軽く一杯加えて大きなブリキ鉢かあるいはゼリー型へ入て氷でひやし固めます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
あやひとへ居湯おりゆに志賀の花こして 杜国
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
虎視こしタンタン、戦争をはるかに望んで武者ぶるいしている老若男女が数知れないのである。
武者ぶるい論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
秀吉は、うなずいて、列を進め出した。たくさんな若い人材のなかには、石田佐吉のような、経理の才もあり、智謀にとむ者もいるが、多くは、一番槍、一番首などを虎視こしたんたんと望むもので、
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七分間で最終の停車場ステエシヨンに下車し、香港ホンコンホテルの門前に出て支那人のく長い竹のしなこし椅子に乗つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
幅のせまい、濃い緑、赤黄などで彩色したこし型のながえの間へ耳の立った驢馬をつけ、そのくつわをとって、風にさからい、背中を丸め、長着の裾を煽られながら白髯の老人がトボトボ進んで行く。
石油の都バクーへ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
天一坊の乗輿こしに就いてのお訊ね、御紋についてのお調べ、之皆外形の事柄でございます。
殺された天一坊 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
近き頃、かのポムペイの古市こしと同じく、闇黒のうちより出でゝ人の遺忘を喚びさましたるものは、此祠と穀神祠デメエテルとなり。
わたくしが砂町すなまちの南端に残っている元八幡宮もとはちまんぐう古祠こし枯蘆かれあしのなかにたずね当てたのは全く偶然であった。
元八まん (新字新仮名) / 永井荷風(著)
船橋は有名な古肆こしで、御菓子司おかしづかさの称号を暖簾のれんに染め出していた御用達ごようたしである。
それ羅山らざん口号こうがういはく萬葉集まんえふしふ古詩こしたり、古今集こきんしふ唐詩たうしたり、伊勢物語いせものがたり変風へんぷうじやうはつするににせたり、源氏物語げんじものがたり荘子さうし天台てんだいしよたりとあり。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それには部分部分の描写会話もなかなかに秀でていて、老婆のくだりは前述したごとくであるが、お里の嫁入り馬のこしらえにしても
この故址こし斷礎の間より望むばかり、人を動すことは、またあらぬなるべし。
そして、その混合物の一部分となつてゐるものとは違つた全く新らしい性質の金属をこしらへ上げるのだ。さういふ風にして、銅と或る白い種類の金属とを熔かして一緒にしたものが亜鉛だ。庭の如露じょろのやうなものはそれでつくつたのだ。真鍮は、銅の赤さも持たないし、又亜鉛の白でもなく、金の黄色い色に出来上つてゐる。
駭然がいぜんとして夢かうつつ狐子こしへんせらるるなからむやと思えども、なお勇気をふるいてすすむに、答えし男急にびとめて、いずかたへ行くやと云う。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
南ふく風静やかに、神輿こしの列遠く青みき。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「広田さんのお移転こしになるのは、こちらでございましょうか」
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一たび肢を張れば千金到り一たびこしうごかせば万宝る。
「返す/\も今に忘れぬ事は、頸切られんとせし時、殿は供して馬の口に付て、泣き悲しみ給ひしは、如何なる世にも忘れ難し。たとひ殿の罪深くして、地獄に入り給はば、日蓮を如何に仏に成さんと釈迦こしらへさせ給ふとも、用ひ参らせ候べからず。同じ地獄なるべし」