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枯死
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こし
ふりがな文庫
“
枯死
(
こし
)” の例文
ほとりの樹木など
沢山
(
たくさん
)
に
枯死
(
こし
)
しているのはその
熱泥
(
ねつでい
)
を吹き上げた
処
(
ところ
)
である。赤い泥の
沸々
(
ふつふつ
)
と煮え立っている光景は相変らず物すごい。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
進化の行程はすべてこの通りだ、幾百万年、我制統に光を与えこの地上の生命を支えて来た太陽も老廃して
枯死
(
こし
)
する場合とはなった。
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
この終身牢に
枯死
(
こし
)
してしまう運命であったものが、誰かの手で、江戸城へ届けられるとすれば、その甲賀世阿弥に死花が咲くわけである。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乃
(
すなわ
)
ち富の勢力が一方において封建社会を呑みつつあるに、他方においては、封建社会はその活力を失うて、既に
枯死
(
こし
)
せんとす。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
彼等
(
かれら
)
は
其
(
そ
)
の
冬
(
ふゆ
)
の
季節
(
きせつ
)
に
於
(
おい
)
て
生命
(
せいめい
)
を
保
(
たも
)
つて
行
(
ゆ
)
くのには
凡
(
すべ
)
ての
機能
(
きのう
)
を
停止
(
ていし
)
して
引
(
ひ
)
き
緊
(
しま
)
らねば
成
(
な
)
らぬ。それでなければ
彼等
(
かれら
)
は
氷雪
(
ひようせつ
)
の
爲
(
ため
)
に
枯死
(
こし
)
せねばならぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
見ずや、上野の
老杉
(
ろうさん
)
は黙々として語らず訴へず、独りおのれの命数を知り
従容
(
しょうよう
)
として
枯死
(
こし
)
し行けり。無情の草木
遥
(
はるか
)
に
有情
(
ゆうじょう
)
の人に
優
(
まさ
)
るところなからずや。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
附近の草木は
枯死
(
こし
)
し、鳥獣の
死屍
(
しし
)
も
累々
(
るいるい
)
たるのが見えた。
不図
(
ふと
)
、死の谷へ下りようという峠のあたりに人影が見えた。人間らしくはあったが
正
(
まさ
)
しく怪物であった。
科学時潮
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
もしこの諸能力中の一個のみを発育する時は、たとえその発育されたる能力だけは
天禀
(
てんぴん
)
の本量一尺に達するも、他の能力はおのずから活気を失うて
枯死
(
こし
)
せざるをえず。
文明教育論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
花が
済
(
す
)
むとまもなく数条の長い
緑葉
(
りょくよう
)
が
出
(
い
)
で、それが冬を
越
(
こ
)
し翌年の三月ごろに
枯死
(
こし
)
する。そしてその秋、また地中の
鱗茎
(
りんけい
)
から
花茎
(
かけい
)
が出て花が咲き、毎年毎年これを繰り返している。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
見ずや、上野の
老杉
(
ろうさん
)
は黙々として語らず訴へず、
独
(
ひと
)
りおのれの命数を知り
従容
(
しょうよう
)
として
枯死
(
こし
)
し行けり。無情の草木
遥
(
はるか
)
に
有情
(
ゆうじょう
)
の人に
優
(
まさ
)
るところなからずや。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
地球にいま棲息している人間や動物植物は、地球の気候風土にたえられるものばかりであって、それにたえられないものはとちゅうで
死滅
(
しめつ
)
し
枯死
(
こし
)
してしまったのだ。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
内儀
(
かみ
)
さんは
聳然
(
すつくり
)
と
立
(
たつ
)
ては
居
(
ゐ
)
るが
到底
(
たうてい
)
枯死
(
こし
)
すべき
運命
(
うんめい
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
る
喬木
(
けうぼく
)
の
數本
(
すうほん
)
を
端近
(
はしぢか
)
に
見上
(
みあげ
)
ていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この時において国民の膨脹性、全く
枯死
(
こし
)
せざらんとするも、それ
豈
(
あ
)
に得べけんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
今年花また開くの好時節に際し都下の
或
(
ある
)
新聞紙は
濹上
(
ぼくじょう
)
の
桜樹
(
おうじゅ
)
漸
(
ようや
)
く
枯死
(
こし
)
するもの多きを説く。ああ新しき時代は遂に全く破壊の事業を完成し得たのである。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
故にかかる場合においては、養子制は便宜の制のみならず、必然の制といわざるべからず。
而
(
しこう
)
してこの養子こそ
動
(
やや
)
もすれば
枯死
(
こし
)
せんとする封建社会に、新活力を与うる
重
(
おも
)
なる要素たらざるはなし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
日本の神社と寺院とはその建築と地勢と樹木との
寔
(
まこと
)
に複雑なる綜合美術である。されば境内の老樹にしてもしその
一株
(
いっしゅ
)
を
枯死
(
こし
)
せしむれば、全体より見て容易に修繕しがたき破損を
来
(
きた
)
さしめた訳である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし大正三年の今日幸に
枯死
(
こし
)
せざるものいくばくぞや。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“枯死”の意味
《名詞》
枯 死(こし)
植物がすっかり枯れること。
(出典:Wiktionary)
枯
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
死
常用漢字
小3
部首:⽍
6画
“枯”で始まる語句
枯
枯木
枯草
枯葉
枯蘆
枯枝
枯野
枯山
枯渇
枯淡