“老杉”の読み方と例文
読み方割合
ろうさん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ずや、上野の老杉ろうさんは黙々として語らず訴へず、独りおのれの命数を知り従容しょうようとして枯死こしし行けり。無情の草木はるか有情ゆうじょうの人にまさるところなからずや。
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
有名な蛇橋じゃばしの伝説に昔をしのびながら、大谷川のささやきをあとにして、老杉ろうさん昼なお暗い長坂ながさかをのぼりますと、神輿旅所みこしたびしょとして知られる山王社さんのうしゃがある。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
十幾棟の大伽藍を囲んで、矗々ちくちくと天を摩している老杉ろうさんに交って、とちけやきが薄緑の水々しい芽を吹き始めた。
仇討三態 (新字新仮名) / 菊池寛(著)