“保”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
も45.9%
たも38.3%
ほ6.1%
たもつ4.6%
やす1.0%
た1.0%
もち0.5%
あ0.5%
たもた0.5%
と0.5%
はう0.5%
モ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
無窮な国体のうえに生を保(も)つ安心であった。大君の恩であった。これも大御民(おおみたから)のひとりびとりぞ、と見まわす家庭と家の子らであった。
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
タ! タ! と二、三あし、履物を棄てて草を踏みつつ、栄三郎の前へ進み出た長剣の士、月輪の道場にあって三位を保(たも)つ轟玄八だ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
場処(ばしょ)もどの辺ということが土地の人にはよくわかっている。矢野※保(ほ)という荘園のうちで、人里(ひとざと)より一里ばかり離れたところだとある。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかし保(たもつ)さんは少時帆足の文を読むごとに心平(たいら)かなることを得なかったという。それは貞固の人(ひと)と為(な)りを愛していたからである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
亮太郎 保(やす)はなんにも言やしないよ、君のことなんか……まあ、あんまり、あれこれと気を遣はない方がいいよ。
村で一番の栗の木(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「ぢゃ木さば保(た)ご附くこなしだぢゃぃ。」誰(たれ)かがうしろで叫んでゐる。どういふ意味かな。木にとりつくと弾(は)ね返ってうしろのものを叩(たた)くといふのだらうか。
台川 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
長「なに、そう云う訳ですか、生憎(あいにく)亥太郎が居りませんが、もう蔵は冬塗る方が保(もち)がいゝが、今からじゃア遅い、土が凍りましょう」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
炭を買うから少(すこし)ばかり貸せといったら一俵位なら俺家(おれんとこ)の酒屋で取って往けと大(おおき)なこと言うから直ぐ其家(そこうち)で初公の名前で持て来たのだ。それだけあれば四五日は保(あ)るだろう
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
江戸演劇は戯曲よりも先(まず)俳優を主とし、俳優の美貌(びぼう)風采(ふうさい)によりて常に観客の好劇心と密接の関係を保(たもた)しむるものなれば
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これは林檎(りんご)の皮からゼラチンと同様な膠質(にかわしつ)が出るからで上等の林檎など良く出来ます。このまま保(と)っておけば林檎のシロップで何時(いつ)でも温めて溶かせば用いられます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
しかし此推測の当れりや否やは、わたくしの能く保(はう)する限でない。函嶺の第六日である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
此花の一弁(ヒトヨ)の中(ウチ)は、百種の言(コト)保(モ)ちかねて、折らえけらずや(万葉巻八)
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)