“も”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
13.4%
13.1%
12.6%
12.3%
7.7%
4.0%
3.9%
3.3%
2.7%
2.5%
(他:893)24.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
隠居の肩をんでいたお島は、それを聴きながら顔から火が出るように思ったが、矢張やっぱり房吉を歯痒はがゆく思った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
きりむような痛みを感じて私は又頭を枕に落ち付けた。そうして何事も考えられぬ苦しさのため息をホッといた。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
クリストの教へた逆説の一つは「我まことに汝等に告げん。し改まりて幼な児の如くならずば天国に入ることを得じ」である。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
し自然の名のもとに如何なる旧習も弁護出来るならば、まず我我は未開人種の掠奪りゃくだつ結婚を弁護しなければならぬ。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼女のくちびるれるものは、自己の体面を飾る強弁よりほかに何もあるはずがないと、僕は固く信じていたからである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こまやかにを流したる大理石の上は、ここかしこに白き薔薇ばらが暗きをれてやわらかきかおりを放つ。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その不愉快さのうちには、お秀を通して今後自分達の上にきたされそうに見える葛藤かっとうさえ織り込まれていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「うん。ぼく、このトパァスをはんけちへいっぱいってこうか。けれど、トパァスよりはダイアモンドの方がいいかなあ」
子供の時分から成程さう云ふ傾向かたむきつてゐたけれど、今のやうに太甚はなはだしくはなかつたやうに考へるがな。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
実際において与しやすい或物を多量にっていると自覚しながらも、健三はひとからこう思われるのがしゃくに障った。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と富士男はいった。一同はいまさらながら、天網恢々てんもうかいかいにしてらさずという古言こげんを味わった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ボデイの方は、ブリキを切断して、円く胴をつくり、ふたをくっツけて締めつけ、それが空気がれないか、どうかを調べる。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
さつあをふさつて、湯気ゆげをふいて、ひら/\とえるのを凝然じつると、うも
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
晝餐ひるあとつめたくつたときなどにはかれはそこらのあつめてやす。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
昨日きのう……たしか昨日きのうと思うが、を負ってからう一昼夜、こうして二昼夜三昼夜とつ内には死ぬ。
霧が雲がと押問答おしもんどうなぞのかけツこ見たやうなことをして居るのは、れつたくつて我慢が出来ぬ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「石ばしる垂水たるみのうへのさわらびえいづる春になりにけるかも」(巻八・一四一八)等の如くに成功している。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そうやって出て行くその若衆の、うしろ姿を見送った時、鳰鳥の胸にはこれまでになかった、恋心がほのかにえたのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すると母親ははおやは、おおきな、おおきな、おさらくろいスープをって、はこんでました。
夜露よつゆれたくさが、地上ちじやうあふれさうないきほひで、うづめてゐた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
それはずっとりをつづけたつうやもまた重々じゅうじゅう承知しているが、彼女はやっとおごそかに道の上の秘密を説明した。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それからは、八幡様が村人の遊び場所となり、昼間皆がたんぼに出ますと、その間たぬきが子供達をりしてくれました。
狸のお祭り (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
あやめや、かきつばたはその濁った波に沈んで、わずかにの花だけが薄白く浮かんでいるのが、星明かりにぼんやりと見えた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その内にもう秋風が立って、城下の屋敷町の武者窓の外には、溝をふさいでいたの下から、追い追い水の色が拡がって来た。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
とお雪は山吹のような金色の花模様の中に、ヒラヒラと舞う白い蝶をとらえようとして、浅瀬にをとられたように引返し、
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
黒女くろめこしもと前後あとさきに三人いて、浅緑あさみどりきぬに同じをした……おもて
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
証書は風早の手に移りて、遊佐とその妻と彼とむつの目をて子細にこれを点検して、その夢ならざるをあきらめたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
南無薬師瑠璃光如来なむやくしるりくわうによらい、お庇陰かげちまして両眼りやうがんともあきらかになりまして
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
その上一と太刀浴びせられて、あつしの尻のあたりは切られてはしませんか。傷が深さうだから、もうたないかも知れません。
「医者はつといっておりますが、何分ひどくたかぶっていらっしゃるので、時折傷口から出血するのがよくないそうで」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天つ日はひかりかがやき海のは行きかふ船のこなたかなたに(須磨浦所見――船なしといへど未だ船影なきまでには至らず)
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
縁に近く、ちょうど蓮の葉でかこいをされたぐあいの一坪ばかりの水のには、背に色彩りあざやかな紋のある水鳥が游いでいた。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
けれど前夜いらい、尊氏がに服して「魚鳥を口にせず」としていたため、なんとなく、陣中、士気も揚がらないふうだった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五丈原頭孔明こうめいを秘して潰走かいそうした蜀兵の哀寂と同じものが、一同の胸へこみ上げてくるのだった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ほんとうにいんですか。まだ血色が不良よくないようだが……。何しろ、飛んだ災難でお気の毒でしたねえ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大丈夫だいじやうぶだといふところで、望生ぼうせいに一たい如何どうしたのかとうてると
この時の歌に、「玉藻苅る辛荷の島に島回しまみするにしもあれや家はざらむ」(巻六・九四三)というのがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
すべもなくくるしくあればはしななとへど児等こらさやりぬ 〔巻五・八九九〕 山上憶良
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
大村が云うには、二人はと交互の好奇心から接近して見たのであるが、先方でもこっちでも、求むる所のものを得なかった。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
と私の家の向いはがけで、根津ねづへ続く低地に接しているので、その崖の上には世にう猫の額程の平地しか無かった。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
己に毒薬をらせたし、ばれかかったお道さんの一件を、穏便にさせるために、大奥方の計らいで、院長に押附おッつけたんだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
東に向けて臥床ふしど設けし、枕頭まくらもとなる皿のなかに、蜜柑みかんと熟したる葡萄ぶどうりたり。
誓之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は、自分の心が何処までも健康らしく、厳しい希望だけにえてゐることを一層はつきり自覚するのが愉快だつた。
山を越えて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
同時に逸子の頭の中では、彼の冷淡な、おもひやりのない態度に対する怒りが、火のやうに、一時にえ上つて来た。
惑ひ (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
新「おっかさん、なんですか、お前さんは何処どこの出のお方でございます、多分江戸子えどっこでしょう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ここに面白い事は右のレーズン(raisin)の語はとは、ラテン語の racemus から由来しこのラセムスはブドウの果穂の事である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
赤々とした燈火は会堂の窓をれていた。そこに集っていた多勢の子供と共に、私は田舎いなからしいクリスマスの晩を送った。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
思わず岸本は支那留学生に事寄せて、国を出る時には想像もつかなかったような苦い経験を、日頃の忍耐と憤慨とをらそうとした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
薄ぎたなくよごれた顔に充血させて、口を食いしばって、りかかるように前扉にたれている様子が彼には笑止に見えた。
卑怯者 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それが船橋ブリッジ欄干クロスに両ひじたせて、青い青い秋空の下に横たわる陸地おかの方を凝視みつめているのだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
木はまだ青葉にはなっていなかったが、芽は既にうすい影を落すくらいにはえ出ていて、一面に日の光をうけて緑色に輝いていた。
四月の陽は縁から雨落に這つて、江戸の櫻ももうお仕舞ひ、狹い庭に草の芽がえて、蟻はもう春の營みに、忙しい活動を續けて居ります。
美妙はとが韻文家であって韻語に長じ、兼ねて戯文の才があったから、それだけ従来の国文型が抜け切れない処があった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
この猫もとは皆川町時代に何処からかまぐれ込んで来た迷い猫であって、毛並から面付つらつきまでが余りくなかった。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
男女服裝の別 土偶の用未だ詳ならざれば、其したる物は男子のみの形か女子のみの形か、男女兩樣か明かに云ふ能はず。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
清元きよもとの一派が他流のすべからざる曲調きよくてう美麗びれいたくした一節いつせつである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
おのおのが、その身辺の地上でえているベトベトした油のかたまりのようなものに蒲団やら、土やらをかぶせて退治して、また一休み。
薄明 (新字新仮名) / 太宰治(著)
非常に冷たきものにふれた時熱き感触を味わうように、探偵小説の運ぶものは冷たい熱情、ゆる冷厳であるであろう。
十一才の誕生の日には母のゆるしを得て一日学校を休み、例の通り少しばかりのいはひをしてらいました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
さけそつちのはうへたんとけねえでれえてえな」かね博勞ばくらうはけろりとした容子ようすをして戯談じやうだんをいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)