“断念”のいろいろな読み方と例文
旧字:斷念
読み方割合
あきら69.3%
あきらめ17.0%
だんねん9.1%
おもいき2.3%
おもいきり1.1%
おもひき1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、乞食はどうしても馬をち上らせることが出来ないものだから、断念あきらめてしまって、今度は馬子の方へ行って彼を救い出そうとした。
乞食 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
ちょっとなまって、甘えるような口ぶりが、なお、きっぱりと断念あきらめがよく聞えた。いやが上に、それも可哀あわれで、その、いじらしさ。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は、山を下りることを朝まで断念だんねんするしかないと思った。むりをして下りれば、足をふみすべらして谷底へ落ちるおそれがある。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それはそうとどうしようかしらん、到底言わずには置けんこったから、今夜にも帰ッたら、断念おもいきッて言ッてしまおうかしらん。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「ハテそうしては彼娘あれが……」ト文三は少しくしおれたが……不図又叔母の悪々にくにくしい者面しゃっつら憶出おもいいだして、又憤然やっきとなり、「糞ッ止めても止まらぬぞ」ト何時いつにない断念おもいきりのよさ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「それでも断念おもひきつて切つて了ふのかいの、欲しないかい。」とお光は子供にでも言ふやうに笑ひながら言つた。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)