“断間”のいろいろな読み方と例文
旧字:斷間
読み方割合
たえま83.3%
しきり16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白刃しらはえたような稲妻いなづま断間たえまなく雲間あいだひらめき、それにつれてどっとりしきる大粒おおつぶあめは、さながらつぶてのように人々ひとびとおもてちました。
それが一色いつしきになつてまはる。しろい棺は奇麗な風車かざぐるま断間たえまなくうごかして、三四郎の横を通り越した。三四郎はうつくしいとむらひだと思つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
二階の八畳間に、火鉢がたつた一個ひとつ幾何いくら炭をつぎして、青い焔の舌を断間しきりなく吐く程火をおこしても、寒さがそびらから覆被おつかぶさる様で、襟元は絶えず氷の様な手で撫でられる様な気持がした。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
重い柄杓ひしやくに水を溢れさせて、口移しに飲まうとすると、サラリと髪が落つる。髪をかづいた顔が水に映つた。先刻さつきから断間しきりなしにほてつてるのに、周辺あたりの青葉の故か、顔がいつもよりも青く見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)