“しきり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
74.1%
仕切5.5%
4.0%
2.9%
2.6%
区劃2.2%
為切1.5%
仕劃0.7%
0.7%
断間0.7%
斷間0.7%
0.7%
瞬間0.7%
間断0.7%
區劃0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
隔劃0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しきりに後妻を勧めるものがあって、城下から六七里離れた、合歓ねむの浜——と言う、……いい名ですが、土地では、眠そうな目をしたり
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
公衆電話函こうしゅうでんわばこを二つ並べたようになっていて、入口に近い仕切しきりの中で衣類を脱ぎ、その奥に入ると、白いタイルで張りつめた洗い場になっていて
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
が、何だか其ではいささか相済まぬような気もして何となく躊躇ちゅうちょせられる一方で、矢張やっぱり何だかしきりに……こう……敬意を表したくてたまらない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
奧樣が起きて來る氣色がしたので、大急ぎに蒲團を押入に入れ、しきりの障子をあけると、『早いね。』と奧樣が聲をかけた。お定は臺所の板の間に膝をついてお叩頭じぎをした。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
肩に懸けたる手をば放さでしきりゆすらるるを、宮はくろがねつちもて撃懲うちこらさるるやうに覚えて、安き心もあらず。ひややかなる汗は又一時ひとしきり流出ながれいでぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
昔から釘附くぎつけに為てあると計り思つて居た内陣と本堂との区劃しきりの戸を開けると云ふ事は、すくなからず小供の好奇かうきの心を躍らせたが、愈々いよ/\左から三枚目の戸に手を掛ける瞬間しゆんかん
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
六時をさかひにして昼夜の花に為切しきりがつく、お糸さんは決して六時前にはあちらへ案内をしなかつた。客にむだなおあしを使はせないやうに考へてるからである。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
俯目ふしめに、睫毛まつげく、黒棚くろだなひとツの仕劃しきりた。袖口そでくちしろべて
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
暗い燈火の下に蒐つてゐる瑠璃子と女中達を、もつと脅かすやうに、風は空を狂ひ廻り、波はしきりなしに岸を噛んで殺到した。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
重い柄杓ひしやくに水を溢れさせて、口移しに飲まうとすると、サラリと髪が落つる。髪をかづいた顔が水に映つた。先刻さつきから断間しきりなしにほてつてるのに、周辺あたりの青葉の故か、顔がいつもよりも青く見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
先刻から斷間しきりなしにほてつてるのに、四邊の青葉の故か、顏がいつもより青く見える。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
しきりやぶまへにある枇杷びは古木ふるき熊蜂くまばち可恐おそろしおほきをかけた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
賊共はちょっと驚いて一瞬間しきりにわかに静まった。
郷介法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私は蝋燭ろうそくけて外をうかがった。外は真暗まっくらで、雨は間断しきりなしにしとしとと降っていた。ぎいぎいという不思議の声は遠い草叢くさむらの奥にあるらしく思われたので、私は蝋燭を火縄ひなわに替えた。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
また知るべし、ふたつ區劃しきりすぢなかばにてきだより下にある者は、己が功徳によりてかしこに坐するにあらず 四〇—四二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
木盒きばこしきりを施し、それに十二の孔を穿てり。孔ごとにかわづを伏せて、細き杖もて、そのかうべを敲けば、蛙は哇然と声たてぬ。
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
「禍故重畳ちようでふし、凶問しきりに集る。永く崩心の悲みをいだき、独り断腸のなみだを流す。但し両君の大助に依りて、傾命わづかに継ぐのみ。筆言を尽さず、古今の歎く所なり」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
郢人那得苦追尋 郢人えいひとなんしきり追尋ついじんするを得ん(『景徳伝燈録』巻七大梅法常章)
僧堂教育論 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
ちらほら梅の咲きそうな裏庭へ出て、冷い頸元えりもとにそばえる軽い風に吹かれていると、お島はしきりに都の空が恋しく想出された。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
キチンと整頓された隔劃しきりの中からウイグ・ニスと毛束を取出し、失礼ながら、といって加十の顎にニスを塗ると、細いピンセットを使って丹念に一本ずつ髯を植え始めた。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)