“くぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クギ
語句割合
82.6%
8.7%
句切2.1%
1.7%
区画1.0%
区限0.7%
区劃0.7%
區限0.3%
予防線0.3%
区切0.3%
區切0.3%
口切0.3%
批評0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は扉のそばにくぎ付けになって、身動きもせず、凍えきり、歯をうち合して震え、扉を開く力もなく、床につく力もなかった……。
早川の対岸に、空をくぎつて聳えてゐる、連山の輪廓を、ほの/″\とした月魄つきしろが、くつきりと浮き立たせてゐるのであつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
ハッキリ句切くぎりがついて頭に畳み込んでありませぬから、あるいは前後したり、混雑したり、いろいろお聴きにくいところがあるだろうと思います。
道楽と職業 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
舞台は、桜の花など咲いた野外が好ましいが、室内で装置する場合には、緑色の布を額縁としてくぎり、地は、春の土を思わせるような、黄土色の布か、緋毛氈ひもうせんを敷きつめる。
(新字新仮名) / 竹久夢二(著)
その岡の上に麦酒ビール会社の建築物が現われて、黒い輪廓りんかくがあざやかに、灰色の空を区画くぎったところなど、何とはなしに外国とつくにの景色を見るようである。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
その老いた幹には、大きな枝の脇の下に寄生木やどりぎが生えて居た。その樹に対して右手には、その屋敷とそれの地つづきである桐畑とを区限くぎつて細い溝があつた。何の水であらう。
帷幕とばり区劃くぎられているその一劃は、前方の室といちじるしく趣を異にしていて、壁は一帯に灰色の膠泥モルタルで塗られ、床には同じ色で、無地の絨毯じゅうたんが敷かれてあって、窓は前室のよりもやや小さく
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
私達の區限くぎられた部屋に
(旧字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
雜作もなく區限くぎつてゐる
(旧字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
「然しあんなに駄目を押して、予防線くぎをさすッてエなア何様どういつもの洞喝おどかしだろうが——奴等も大部こたえたらしいナ」
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
ただ時を区切くぎってといたた雨滴あまだれの音だけがぽたりぽたりと響いた。あによめ平生いつもの通り落ちついた態度で、へやの中を見廻しながら「なるほど好い御室ね、そうしてしずかだ事」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
數限かずかぎりもない材木ざいもくみづのまゝにひたしてあるが、彼處かしこへ五ほん此處こゝへ六ぽん流寄ながれよつたかたちはんしたごとく、みな三方さんぱうからみつツにかたまつて、みづ三角形さんかくけい區切くぎつた、あたりはひろく、一面いちめん早苗田さなへだのやうである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
串戯じょうだんのように云って、ちょっと口切くぎったが、道学者の呆れて口が利けないのに、押被おっかぶせて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おほきにねえさんから小言こごと頂戴ちやうだいしたりなんかしました、へいぢやうさんらつしやいまし、うも先達せんだつての二番目狂言ばんめきやうげん貴嬢あなたがチヨイと批評くぎをおさしになつた事を親方おやかたに話しましたら
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それが今ではくぎん棒一本手に入れるのも容易ではなくなった。
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)