句切くぎ)” の例文
拳固げんこ……つねもち、……あかいお團子だんご。……それが可厭いやなら蝦蛄しやこ天麩羅てんぷら。」と、ひとツづゝ句切くぎつて憎體にくたらしくふしをつける。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ハッキリ句切くぎりがついて頭に畳み込んでありませぬから、あるいは前後したり、混雑したり、いろいろお聴きにくいところがあるだろうと思います。
道楽と職業 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と新太郎君の母親は句切くぎり/\でお辞儀をしている。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ところへ急に金盥かなだらいたたき合せるような音がした。一度ではない。二度三度と聞いているうちに、じゃじゃん、じゃららんと時を句切くぎって、拍子ひょうしを取りながら叩き立てて来る。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
上人しやうにん一寸ちよいと句切くぎつて
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
句切くぎりが悪くつて、字遣じづかひが異様で、言葉のはこかたおも苦しくつて、丸で古い御寺おてらを見る様な心持がした丈である。此一節丈読むにも道程みちのりにすると、三四町もかゝつた。しかも判然はつきりとはしない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)