寿商店の独息子新太郎君が三度目の診察を受けた時、丹波先生は漸く転地を勧めてくれた。 「山が好いでしょう。一月ばかり呑気に遊んで来れば直りますよ」 と子供の頃から手にかけているから、新太郎君の容態を兎角軽く見る。新太郎君は又重く言う癖がある。 …
著者 | 佐々木邦 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約3時間39分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約6時間5分(300文字/分) |