“飛沫”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しぶき53.1%
ひまつ21.5%
しぶ14.0%
とばしり4.8%
ひぶ2.2%
とばちり1.8%
とばっちり0.9%
したたり0.4%
しわぶき0.4%
はね0.4%
(他:1)0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“飛沫”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.7%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行2.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)1.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
飛沫しぶきがかかるどころではない、ザンブザンブ潮水を呑んで、結局私も昨夜の淫売婦と、そう変った考えも持っていやしない。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
軒先に掛けた日蔽の下に居ても跳上はねあが飛沫しぶきの烈しさに、わたくしはとやかく言ういとまもなく内へ這入った。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
が、それには、周囲の床から扉の内側にかけてわずかな飛沫ひまつが飛び散っているのみのことで、どこにも乱れた個所がない。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
終局の場面でも、人生の航路に波が高くて、舳部じくぶに砕ける潮の飛沫ひまつの中にすべての未来がフェードアウトする。
映画雑感(Ⅱ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「子供の惡戯にしちや念が入り過ぎますね、——それにもう一つ、北側の唐紙に、少し血が飛沫しぶいてるのはどうしたわけでせう」
續いて、其晩着てゐた、お吉と彌助の着物を出させましたが、何方にも血の飛沫しぶいた跡もなく、洗つた跡もないのです。
こういう気象の先生だから、演説でもする場合には、ややもするとその飛沫とばしりが医者仲間なぞにまで飛んで行く。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「おかげで傷は浅いです。可哀かわいそうに、あれは大層親思いですから、あんな飛沫とばしりを喰うのです。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
勘十郎は油障子を指すのです。成程さう言へば、一箇所刀を突つ込んだらしい穴があいて、穴のあたりに、血の飛沫ひぶいてゐるのも無氣味です。
「匕首を胸に突つ立てたまゝ、驅けて行つて柄に匕首の柱を叩き付けたのだよ。あの柱の下から四尺ほどの高さに、ひどく血が飛沫ひぶいてゐたらう」
あかあかと冬の蘇鉄にはぢく日の飛沫とばちりかなし地に沁みにつつ
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鋏を受取りながらも、佃は念を入れて、足跡のことを繰り返した。伸子は、そばにいて、妙な極り悪さを感じた。自分達夫婦の、さっぱりしないいきさつの飛沫とばちりを、女中が受けているように思えた。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
飛沫とばっちりを受けたので、眉をひそめながら膝を拭いている婆さんや、足袋たびの先を汚された職人もいたが、一番迷惑したのは私であった。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今度は村の人へ飛沫とばっちり
白木の墓標の横腹へかけていろんな毒々しい、気味わるい色の飛沫したたりを一パイにき散らしたまま
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「おたがい、身の姿は一つじゃが、心のすがたは一つでない。おもとさがにも善あり悪あり、秀吉の性にも凡愚あり聡明あり。いわんや大衆。ただその惑濁わくだくの大海より真を汲み、美を飛沫しわぶきせしむることに尽きるわさ」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういいながら、着物をだいじにするひとがちいさな汚点しみでも気にするように、馬の横っ腹にくっついた泥の飛沫はねを、掌でていねいにぬぐってやる。
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
果實このみより、また青葉にかゝる飛沫みづけぶりよりいづる香氣かをり飮食のみくひの慾を我等のうちに燃やすなり 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)