“はね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハネ
語句割合
28.4%
20.9%
13.7%
羽根6.5%
6.0%
羽子5.3%
羽毛4.4%
閉場4.0%
2.6%
羽翼1.2%
(他:30)7.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見よ彼これを伸べて天にむかはせ、朽つべき毛の如く變ることなきその永遠とこしへはねをもて大氣を動かす。 三四—三六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
おけらは、なぜ自分じぶんには、あのような自由じゆうべるうつくしいはねがないのかとあやしみました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その優しい膝の花を眺めていると、かれの想像は、ふッとはねが生えたように飛んで、ふたりの可愛らしい少女をとらえてくる。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其処は険しい切り断った瓶の底のような壑の底で、はねのないかぎりあがって往くというようなことは想像にも及ばなかった。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あれが、かあかあ鳴いて一しきりして静まるとその姿の見えなくなるのは、大方そのはねで、日の光をかくしてしまうのでしょう。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
次に、ニンフ達は、踵に一対の可愛い小さなはねのついた短靴みたいな、スリッパみたな、草鞋サンダルみたいな物を取り出しました。
ひゆの花、男なんぞは物ともしない女の帽子の羽根はね、口元も腰元もけるやうだ、おまへの蜜の湖に若い男が溺れ死ぬ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
この羽根はねは一人一人の飛行機のように、飛ぶためのものですよ、簡単な、しかし強力な動力装置がこの羽根の下についているんです
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
芥子けしの実ほどの眇少かわいらしい智慧ちえを両足に打込んで、飛だりはねたりを夢にまで見る「ミス」某も出た。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私は浅い水を頭の上まではねかして相当の深さの所まで来て、そこから先生を目標めじるし抜手ぬきでを切った。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
外には羽子はねの音、万歳まんざいつづみ——。そして、ふと万吉の耳に、角兵衛獅子の寒げな太鼓が耳についた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして市区がすっかり改正されて、道路も舗装道になっているし、一月の時には三筋町の通りで羽子はねなどを突いているのが幾組もあった。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
風は、あけ放した縁からそっと忍び込んできて、羽毛はねのようにふわりと惣七のほおをなでて、反対側の丸窓から逃げて行く。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
藍甕あいがめをぶちまけたような大川の水が、とろっと淀んで、羽毛はねのような微風と、櫓音と、人を呼ぶ声とが、川面を刷いていた。
彼は楽屋口の閉場はね時の、混乱した群衆の中に、連隊副官のダシコフ大尉の蒼白な頬と、燃ゆるような二つの瞳とを見出したのである。
勲章を貰う話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
いろんないきさつがあって、やがて閉場はねると、その子供は、是非日本の写真が見たいから、ホテル迄送ってゆくということになった。
時計 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
きゃっ!と云うとはね返って、道ならものの小半町、膝とかかとで、抜いた腰を引摺ひきずるように、その癖、怪飛けしとんでげて来る。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
国に入つてはその国法に従ふべきもので、斬首をもつて望まれたら首をはねられて死ぬべきものだし、火炙りに処せられたら焼けて死ぬより仕方がない。
また恋をしたいたッて、美しい鳥を誘う羽翼はねをもう持っておらない。
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
半ば眠れる馬のたてがみよりは雨滴しずく重くしたたり、その背よりは湯気ゆげ立ちのぼり、家鶏にわとりは荷車の陰に隠れて羽翼はね振るうさまの鬱陶うっとうしげなる
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
たかひくのみちの、ともすれば、ぬかるみのはねひやりとして、らぬだにこゝろ覺束おぼつかなきを
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
暁方あけがたになってお隅がいない処から家中うちじゅう捜しても居ない、六畳の小間が血だらけになっているから掻巻をはねると、富五郎が非業な死にようわきの処に書置が二通あって
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一刻も早く屋敷のそとへ! と決した栄三郎、ぶつかった鈴川方の一人をパッサリ! と割りさげておいて、泥沫はねをあげて左膳を襲い、そのダッとなるところをすかさず、泰軒をうながして母家おもやえんへ駈けあがった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「やい、寅。てめえのような半端はんぱ人足を相手にして、泥沫はねをあげるのもいやだと思って、お慈悲をかけてやりゃあ際限がねえ。おれは立派に御用の十手を持っているが、てめえを縛ってから後で見せてやる。さあ、素直に来い」
半七捕物帳:09 春の雪解 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
山「これさ師匠のように騒いじゃアいけねえ、これさ、びしゃ/\はねるから活船いけふねへ早く放り込んで置きねえ」
こゝは英雄えいゆう心事しんじはかるべからずであるが、ぶちまけられるはうでは、なん斟酌しんしやくもあるのでないから、さかしま湯瀧ゆだき三千丈さんぜんぢやうで、流場ながしば一面いちめん土砂降どしやぶりいたから、ばちや/\とはねぶ。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こんなのを薄暗い処を通って段々見て行くと、最後に人形が引抜ひきぬきになって、人間が人形の胴の内に入って目出たく踊ってはねになるというのが多かったようです。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
僕等は其夜、鈴木主水もんどの講談を聞きましたが席がはねるや外に出ると、二三人の人が黒田下の交番の方を目がけて小走りに走るので、何事が初まつたかと、僕等も其後について走りました。
夜の赤坂 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
帝劇の終演はねが思いの外早かったので、彼等はお濠ばたを、椽の並木のある公園の方へ散歩した。アアチ・ライトの中の青い梢が霧に濡れていた。誰も彼等と行交わなかった。彼等はお互の腕を組み合わせて歩いた。
茶屋へ入って桟敷さじきへ通ったのが正午ひる過ぎの八ツで、茶屋を出たのが終演はねる少し前の五ツ半。如何にも眼立つ服装なりをしているのだし、多分に祝儀をはずんだので、茶屋でははッきりと覚えていた。
ぷつり、帰雁の鯉口こいぐちをひろげて、ぴしゃぴしゃ——守人は飛泥はねを上げて追いすがる。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私は飛泥はねの上がるのも構わずに、ぬかの中を自暴やけにどしどし歩きました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
老爺は少しよろめいたが、ウムと踏張ツたので、學生は更にはねツ返されて、今度は横つ飛に、片足で、トン、トンとけし飛ぶ……そして壁に打突ぶツつかツて横さまに倒れた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
何卒どうぞ打出はねましたらと三がいらつしやいまして、おやこれツちやまらつしやいまし、アハヽまアお可愛かあいらしいこと、いえうも親方おやかたおどろいてましたし
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まくった空臑からすねに痛いと感ずるほど、両脚が、太く冷たかった。男は半町ばかり先を行く。三次、撥泥はねを上げて急いだ。
しり端折ぱしょりの尾骶骨かめのおのあたりまで、高々たかだか汚泥はねげた市松いちまつの、猫背ねこぜ背中せなか
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
まげ刷毛先はけさきとどく、背中せなかぱい汚泥はねわすれたように
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「向うはまだ来ておらんな」と、シェシコーフスキイがはねを落しながら言った、「さればさ。幕があかぬうちに、一ついい場所を見つけに行くとしますかな。ここじゃ身動きもできはせん。」
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
と一言残して歩みを続ける。伝二郎は泥跳はねを上げてすがりついた。
香山家かやまけ三人みたり女子むすめうちかみむづかしくすゑ活溌はねにて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
印度(インド)なる葉廣はびろ菩提樹の蔭にしてひろげ誇らむこの孔雀とり羽尾はね
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
六宮リクキウ粉黛ふんたいも色を失はむ孔雀一たび羽尾はねひろげなば
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
車の羽弁はね五色ごしきに塗ってある。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
次のつき井菊屋の奥、香都良川添かつらがわぞいの十畳に、もう床は並べて、膝まで沈むばかりの羽根毛はね蒲団ぶとんに、ふっくりと、たんぜんでくつろいだ。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
えさを拾う雄鶏おんどりの役目と、羽翅はねをひろげてひなを隠す母鶏ははどりの役目とを兼ねなければならなかったような私であったから。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
○鎌切の恋のかたみか雄のはね
おきな布団ふとんはねのけ、つとちあがりて、紀州よ我子よと呼びし時、くらみてそのまま布団の上に倒れつ、千尋ちひろの底に落入りて波わが頭上に砕けしように覚えぬ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
雨の中を板裏の草履で歩いて来たので、背中まで跳泥はねが一杯上っていた。
変な男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)