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はね
ふりがな文庫
“
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(
はね
)” の例文
そして嫁の寝ている胸の真上と
覚
(
おぼ
)
しき
処
(
ところ
)
まで、その足音が来たかと思う時、その死に
瀕
(
ひん
)
した病人が
跳
(
はね
)
ッ
返
(
か
)
えるように
苦悶
(
くもん
)
し始めた。
白い光と上野の鐘
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
芥子
(
けし
)
の実ほどの
眇少
(
かわいら
)
しい
智慧
(
ちえ
)
を両足に打込んで、飛だり
跳
(
はね
)
たりを夢にまで見る「ミス」某も出た。お乳母も出たお
爨婢
(
さんどん
)
も出た。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
座敷のなかにこの二句を点じただけで、
後
(
あと
)
は
故
(
もと
)
のごとく静になる。ところへ
鯉
(
こい
)
がぽちゃりとまた
跳
(
はね
)
る。池は東側で、小野さんの背中に当る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
誰かから抑へられると、その二倍も三倍もの烈しさで、
跳
(
はね
)
返したいやうな気になるのです。それが、
妾
(
わたし
)
の性格の
致命的
(
フェータル
)
な欠陥かも知れません。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
英吉利
(
イギリス
)
の貴族は、恋で平民の娘と一緒になつたり、金で
亜米利加
(
アメリカ
)
辺の
跳
(
はね
)
つ
返
(
かへ
)
りと結婚したりするので、それによつて血統の廃頽を救つてゐると言はれてゐるが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
また、号令がかゝると、一勢に脚は頭上にあがる、
跳
(
はね
)
る、飛ぶ、そり反る——何たる軽ろやかさぞや!
舞踏学校見物
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
薄月と水明りとに照らされた河原には、二つの刀の影が水に
跳
(
はね
)
る魚の背のように光っていた。それを遠目に見ていながら、お染はなかなか近寄ることが出来なかった。
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
とガラリ障子を明けて見ると、御新造は歯を
噛〆
(
くいし
)
め
反
(
そ
)
って
居
(
お
)
るを女中が押して
居
(
お
)
るが力の強いもので男の二三人ぐらい
跳
(
はね
)
かえしますから、由兵衞が飛込んで押えます。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あの
跳
(
はね
)
ッ返りめ、お先走りで、何でも来いだから、仁和加の時も、一本引ッこ抜いて使うんだからッて、それ痛い目に逢わないだけにして、本式に習いたいというので
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大きな
盤台
(
ばんだい
)
に、ピチピチ
跳
(
はね
)
る、地中海の小魚が、
選
(
よ
)
りどりにしゃくえた。ヒラヒラと
魚躰
(
からだ
)
をひるがえすたびに、さまざまの光りが、青い銀のような水とともにきらめいた。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ちと
御呵
(
おしか
)
り
遊
(
あそ
)
ばして
下
(
くだ
)
さりませと
極
(
きま
)
り
文句
(
もんく
)
に
花
(
はな
)
を
持
(
も
)
たすれど
學士
(
がくし
)
は
更
(
さら
)
に
氣
(
き
)
にも
止
(
と
)
めず、その
幼
(
おさ
)
なきが
尊
(
たつ
)
ときなり、
反對
(
はんたい
)
に
跳
(
はね
)
かへられなばお
民
(
たみ
)
どのにも
療治
(
りようぢ
)
が六ツかしからん
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
閉会の後、高等四年の生徒はかはる/″\丑松に
取縋
(
とりすが
)
つて、
種々
(
いろ/\
)
物を尋ねるやら、
跳
(
はね
)
るやら。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
人の声がしたので、
跳
(
はね
)
あがるように身を起したお島の目に、松の枝葉を分けながら、山を降りて来る二人の姿がふと映った。お島は
可恥
(
はずか
)
しさに体が
慄然
(
ぞっ
)
と
立悚
(
たちすく
)
むようであった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
竿を宙に
跳
(
はね
)
る途端に、竿尖は楣間の額面を打ちて、みりツと折れ、仰ぎ見て天井の煤に目隠しされ、腰砕けてよろ/\と、片手を膳の真只中に突きたれば、小皿飛び、徳利ころび
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
何
(
なん
)
にも知らない三匹の子虎は
直
(
すぐ
)
に虎にじやれついたとさ。すると虎はいつものやうに躍つたり
跳
(
はね
)
たりして遊んだとさ。それから又夜もいつものやうに洞穴へはひつて一しよに寝たとさ。
虎の話
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
譬
(
たとへ
)
て
見
(
み
)
れば
彼等
(
かれら
)
は
狹
(
せば
)
いとはいひながら
跳
(
はね
)
ては
越
(
こ
)
せぬ
堀
(
ほり
)
を
隔
(
へだ
)
てゝ、
然
(
し
)
かも
繁茂
(
はんも
)
した
野茨
(
のばら
)
や
川楊
(
かはやなぎ
)
に
身
(
み
)
を
沒
(
ぼつ
)
しつゝ
女
(
をんな
)
の
軟
(
やはら
)
かい
手
(
て
)
を
執
(
と
)
らうとするのである。
其
(
そ
)
れは
到底
(
たうてい
)
相
(
あひ
)
觸
(
ふ
)
れることさへ
不可能
(
ふかのう
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
これの実を指にて摘めば虫などの
跳
(
はね
)
るやうに自ら動きて、
莢
(
さや
)
破れ
子
(
み
)
飛ぶこと極めて速やかなり。かゝるものを見るにつけても、草に木に鳥に獣にそれ/″\行はるゝ生々の道のかしこきをおもふ。
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
お
跳
(
はね
)
さんで嘘吐きで
怜悧
(
りかう
)
で愚かで
虚栄家
(
みえばう
)
で気狂で而して恐ろしい悪魔のやうな魅力と美くしい姿……凡てが俺の芸術欲を
嗾
(
そその
)
かし
瞞
(
たぶ
)
らかし、引きずり廻すには充分の不可思議性を
秘
(
かく
)
して居た、
縦
(
たと
)
へ
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
不自由な片足で、
跳
(
はね
)
るように、夢中であとを追った黒吉は
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
一
跳
(
はね
)
跳
(
は
)
ねれば勝つのが男だ。3985
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
浅草の飛んだり
跳
(
はね
)
たり
江戸の玩具
(新字旧仮名)
/
淡島寒月
(著)
... 判事の前へ出た上で云うが好い、云た所で
迚
(
とて
)
も採用はせられ
舞
(
ま
)
い、既に其方の共謀者藻西倉子が何も彼も白状して仕舞たから」此言葉に生田は電気にでも打れし如く
跳
(
はね
)
返り「え、え、あの女が、其様な事は有りません、少しもあの女の知ッた事で無いのですから」驚きの余り
辷
(
すべ
)
らせたる此言葉は
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「それにね。近頃は陽気のせいか池の
緋鯉
(
ひごい
)
が、まことによく
跳
(
はね
)
るんで……ここから聞えますかい」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いつも、いつも、お前はなんて
早熟
(
ませ
)
ているのだろうと
呟
(
つぶや
)
く母親には、見られたくなかったので、錦子は
跳
(
はね
)
おきると、
乳房
(
おちち
)
は
朝㒵
(
あさがお
)
にしてしまい、腰の丸味は
盥
(
たらい
)
にしてしまった。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
それだのに、彼女はそれを冷然と
跳
(
はね
)
付けたのです。いや、跳付けたばかりではありません。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
お島は註文を聞きに廻るべき
顧客先
(
とくいさき
)
のあることに気づくと、寝床を
跳
(
はね
)
おきて、身じまいに取かかろうとしたが、男は悪闘に疲れたものか何ぞのように、裁板の前に薄ぼんやりした顔をして
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
驚破
(
すは
)
と振る駒が尻尾の一と
跳
(
はね
)
を描きとめて荒しこれの一筆
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
男が一度
跳
(
はね
)
飛ばされながら、
瀕死
(
ひんし
)
の女を抱いて、決して一人では死なせないという事を耳に口をよせて繰返しきかせて後自刃したのは、彼れの品性の高く情操のいかに清らかで
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
私は浅い水を頭の上まで
跳
(
はね
)
かして相当の深さの所まで来て、そこから先生を
目標
(
めじるし
)
に
抜手
(
ぬきで
)
を切った。すると先生は昨日と違って、一種の
弧線
(
こせん
)
を
描
(
えが
)
いて、妙な方向から岸の方へ帰り始めた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「この人は、為様がないじゃないの」お島は
跳
(
はね
)
あがるような声を出した。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
職人はたぶん女中の
頸
(
えり
)
をおまけに剃ってやっていたのであろうが、あたしがあんまり
跳
(
はね
)
るので、女中にもなんしょで、ひょいと、あたしのお
奴
(
やっこ
)
を片っぽとってしまった。あたしはなおさらよろこんだ。
旧聞日本橋:02 町の構成
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
と
跳
(
はね
)
つけられちまった。仕方がないから
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“跳(マツダ・跳)”の解説
マツダ・跳(ハズミ・HAZUMI)は、マツダが製作したコンセプトカーである。
(出典:Wikipedia)
跳
常用漢字
中学
部首:⾜
13画
“跳”を含む語句
跳躍
跳上
跳込
跳梁
跳出
跳起
跳返
跳梁跋扈
一跳
高跳
跳舞
跳越
飛跳
心跳
跳足
跳付
跳退
跳廻
跋扈跳梁
跳猿
...