梅 梅は野にありても山にありても、小川のほとりにありても荒磯の隈にありても、たゞおのれの花の美しく香の清きのみならず、あたりのさまをさへ床しきかたに見さするものなり。崩れたる土塀、歪みたる衡門、あるいは掌のくぼほどの瘠畠、形ばかりなる小社な …
著者 | 幸田露伴 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「新小説」1898(明治31)年3月号 ~ 7月号に「百花譜」と題し掲載 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約27分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約45分(300文字/分) |