“単弁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たんべん66.7%
ひとへ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
単弁たんべんの黄なる小菊の様に可憐な花をしながら、蔓延又蔓延、糸の様な蔓は引けば直ぐ切れて根を残し、一寸の根でも残れば十日とたゝずまた一面の草になる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その代わりには渺茫びょうぼうたる海の色、日の光が際限もなく、幽艶の美を助けているようである。八重の薄桃色のバラにばかりなれた目には、古代な紅色の単弁たんべんが、何よりもなつかしく感じられる。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
花は淡紅うすくれなゐの色たぐふべきものも無く気高く美しくて、いやしげ無く伸びやかに、大さは寸あまりもあるべく、単弁ひとへの五ひらに咲きたる、極めてゆかし。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
花紅にして単弁ひとへなるもの、珍しからねどまことの躑躅花のおもむきありと思はる。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)